一昔前なら障子の大きさというのは関東では、1760㎜×88㎜と畳の基準サイズに近い大きさしかありませんでした。

しかし近年では和室の規格が大きく変わり、障子だけではなく網戸や襖もビックリするくらい大きなサイズが、ご依頼に多くなりました。

これは高層マンションの窓が眺望を望むために天井高に近いサイズが多く採用されている点と、押し入れなどの収納に使用する襖を二段に分けず、天袋(てんぶくろ)を無くして一枚にしていることが理由です。

他にも通常であれば障子や襖を3枚で間仕切るところ、敷居や鴨居(和室の下側レールと上側レール)溝を3本にして太くなるのを避け、幅広2枚で対応しているのも原因です。

 

丈長サイズの障子

 

 

襖・障子・網戸が同一規格で同じサイズじゃないって本当?

畳に関しては常々「一軒一軒、一部屋一部屋、一枚一枚大きさが違うんですよ」とこちらのブログで言い続けてまいりましたが、実は襖と障子も同じ間取りだとしても寸法が違うって知ってましたか?

事実、違うんです・・・。

設計士は精密に設計し、大工は匠の技術で寸分違わぬ寸法で枠を作っていたのは昔の話です。

しかも昔と言えど天然素材である木材を使用する和室では、木の材質や湿度によって木材の収縮や膨張があります。

基本的に設計段階で同一基準であっても、実際にその内法寸法で採寸すれば傾きなどの違いが良く分かります。

要するに畳だけではなく建具(障子や襖のこと)も全てオーダーメードということですね。

ただし網戸に関してはアルミ製の枠にアルミ製の網戸という組み合わせのため、膨張や収縮といった変形が少なく、同一基準で標準施工が可能であります。

 

新築でも枠の傾きはある

 

 

じゃあ通常サイズと違う【丈長】【幅広】【特大】ってどのくらいの大きさから言うの?

基本的に関東と関西(厳密に言うと東海地方含む)で和室の畳や襖、障子のサイズは違います。

しかしその素材である畳表(ゴザ)・襖紙(唐紙)・障子紙の基準は関東でも関西でも平均標準サイズがあり、襖・障子は同一基準です。(網戸のネットも)

では規定を超えるサイズというのは具体的に何ミリからなのでしょうか?

今回畳は割愛しますので詳しく知りたい方は下記のリンクを参照してください。

※畳に関しては基本的に規格外のサイズは施工不可です

 

・障子の標準最大有効内法サイズ

900㎜×1800㎜

※プロの貼り替える障子紙はロール状で丈の長さはあまり関係ありませんが、標準サイズとして記載

 

・襖の標準最大有効内法サイズ

900㎜×2030㎜

※腰柄などの襖紙は上記以外では施工不可、無地や総模様であれば幅広や丈長に対応している

 

・網戸の標準最大有効内法サイズ

880㎜×1800㎜

※障子や襖紙と違い、網戸のネットは枠の溝にビートゴムで嵌めこむため余白部分が多めに必要

※内法(うちのり)とは枠内の紙でありネット部分を指す

 

上記は材料のサイズに起因しておりロール状の素材であれば、丈が長くても標準素材で対応は可能です。

しかし標準サイズを超える建具(障子や襖のこと)は運搬に労力を使うだけではなく、張り替え自体も手間が掛かるため規定外の料金を各業者が請求しています。

仮に丈長サイズ×幅広サイズは【特大】として料金が跳ね上がることはご留意ください。

 

丈長・幅広の特大サイズ

 

 

規格外の丈長や幅広サイズだと対応してくれない業者が多い理由と、弊社なら請け負う事が出来る可能性が高い理由とは

まず規格外のサイズで困るのは材料が特殊なため取り寄せに時間が掛かる点です。

そもそもの話になりますが、襖に関しては『腰柄(こしがら)』と呼ばれる裾部分に絵のあるデザインでは丈長サイズに対応していないことがほとんどです。

『総模様(そうもよう)』と言われる無地や総柄は割と多く丈長や幅広に対応していますが、問屋さんが在庫をしていないため基本的には取り寄せになります。

 

柄の種類が多い襖と違い、障子や網戸の材料は自社(自店)で在庫している業者もいますが、基本的にはイレギュラーなサイズになるため断る業者も多くいるという現状もあります。

そもそも軽バンなどの小さな箱型車両では収納できないため、運搬が非常に難しい上にエレベーターに乗らないなど、少数の施工では割に合わないことを理由に断るというのも納得がいきます。

また、無事に引き取って来ることが可能であっても作業スペースの環境や、慣れていないと失敗するリスクが高いのも原因の一つでしょう。

 

そのような規格外の襖・障子・網戸であっても慣れている業者であれば、割高にはなりますが気持ちよく受注してくれます。

当店では過去の実績が多数ありますので、お気軽にお問合せください。(都内近郊に限ります)

写真のような超特大サイズの障子でも熟練の技で糊が乾く前に紙を貼り付け、仕上がりは普通サイズの障子と変わりません。

網戸も丈が長い場合は、ネットを張った際に引き寄せる力が強く枠が変形して隙間ができやすいのですが、そこも経験豊富な技術力で標準サイズと変わらない仕上がりに施工いたします。

 

他の業者に依頼して断られた方や、特注サイズを綺麗に仕上げて欲しいという方は、是非当店にご依頼ください。

施工実績で他店に負けないクオリティーをお届けします。