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2024年元旦、能登半島を襲った巨大地震により家屋の倒壊は7万6000棟余りとも言われております。
倒壊まで行かなくとも地盤の変化などで傾いた家屋も相当な数に上っていますよね。
家の柱や壁が傾きにより変形すると、まず大きな影響が出るのは建具(たてぐ)と呼ばれる引き戸や開き戸ではないでしょうか。
今回は畳屋の私が素人にDIYのやり方を、1円にもならないのにブログに書き続けて本当に良かったという気持ちと、一般の方のお困りごとを解決するために書いていたら、復興支援に少しだけ協力できたかもしれないという記事です。
突然LINE公式から来たメッセージは能登支援ボランティアのIさんによるお礼の通知だった
当店のLINE公式と言えば畳・襖・障子・網戸といった施工内容に対するご質問や、現調・施工日などの日程調整のご相談に多く利用されています。
しかし先日、三重県から能登支援ボランティアに行っているというIさんという方から「ありがとうございます!」というメッセージが来ました。
IさんはTさんというお婆さんの家でガラス戸が地震の影響で動かせなくなり、困っているという相談を受けたそうです。
なんとか動くようになればと自力で調べているうちに当店のブログを見つけ、それが直せるかもしれないヒントになったということでお礼をくださりました。
鴨居の溝と建具に隙間が無いと持ち上げて外せない
それからしばらくしてIさんから通知が来ました。
当店のブログを元に作業したところ、お婆さんが困っていた戸が動くようになり、とても喜んでいただけた!というご報告です。
思わず「凄いですね!」と私も返しましたが、何が凄いかというと私が普通の鉋(かんな)でやった作業を、電動鉋と電動トリマーを使用して作業したと言うじゃないですか。
プロの私でも使用したことが無いのに、知恵と工夫で作業効率を上げる努力に感服しました。
Iさんが参考にしてくださった記事と被災地でまだお困りの方の一助になるかもしれない作業とは
Iさんが見てくれたブログ記事は下記のものだと思います。
こちらではまず動かなくなった障子をプロの道具ではなく、有り合わせの物で取り外す方法から始まり、外した障子の上桟を削って丈を短くしスライドしやすくするという作業工程が載っています。
地震による影響で柱や壁が傾いたり歪んだ状況でも、家にある物やホームセンターで簡単に調達できる道具を使用してDIY可能です。(Iさんは六尺六寸の丸太杭を購入してジャッキの代わりにしたそうです)
もし被災地で同じように襖や障子といった建具が動かなくなってしまった場合には、上記の方法で取り外して建具を削ってみてください。
他に電動トリマーがあれば鴨居と呼ばれる上側のレール溝を深く削るという方法もあります。
こちらは専用の電動工具ですし慣れていないと怪我に繋がるため、ご使用になる場合は十分にお気を付けてください。
電動トリマー
鴨居溝
震災後の被災地復旧に向けて今、自分が出来る事とこれからしていきたい事
畳屋という立場で義援金程度しかお役に立っていなかった私が、被災地に何度も行っているボランティアのIさんからお礼を言われるというのは非常に情けない話なのですが、私が所属する【5日で5000枚の約束】という全国の志のある畳店が加盟する団体があります。
この度の能登半島地震では東京まで要請が来ませんでしたが、石川県に近い府県から避難所に多くの畳が搬入されました。
畳は基本的に防災協定を締結した市区町村に無償で、出来るだけ早くお届けすることを目指し、少しでも避難している方の安らぎに通じればという思いで活動しています。
今回、協定を結び送ることが出来る畳の数もまだまだありましたが、様々な事情により届けることが出来なかった避難所もあったようです。
しかし実際に利用してくださった方々からは大変喜ばれたという現地畳店さんの報告もありましたので、ブログ記事は勿論ですが、いま『畳屋として出来ること』を地道に頑張って行きたいと思います。
一日も早い能登半島地震の復旧・復興を応援しています。
5日で5000枚の約束