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畳が日焼けしたり傷んでくると「張り替えは費用が掛かりそうだし何となく汚いから茣蓙(ござ)でも敷くか」と考える方が多いと思います。
正式には『上敷き茣蓙(うわしきござ)』といって、その名の通り畳の上に敷いて使用する目的ですので、購入して敷くこと自体に問題はありません。
しかし購入する際と敷いてからのメンテナンスを間違うと大変なことになるかも。
今回は上敷き茣蓙(以降は茣蓙と表記)について購入時の注意点と、敷いた後のメンテナンス、またメリットデメリットについて解説していきます。
ニトリ・ホームセンター・畳店で売っている茣蓙の種類が違う?お部屋のタイプ別に選ぶべき理由とは?
和室の間取りは大きく分けて4.5畳、6畳、8畳が一般的です。
購入して和室一杯に茣蓙を敷こうと考えている方は一つだけ注意することがあります。
和室の広さには大まかな基準はありますが実は1軒1軒広さが違っていますので、和室が小さい場合は購入した上敷き茣蓙が納まりきらないという問題が出てきます。
更に関東と関西では大きくサイズが違うので要注意です。
詳しくは下記のリンクをご参照ください。
ニトリで売っている茣蓙はメリットとして、ハサミで切って使えるフリーカット仕様ですので上記のように和室が小さい場合でも茣蓙をカットして敷くことができるのは良いですよね。
防カビと撥水加工も付いているというのは嬉しいところ。
デメリットとしては裏面に不織布を貼っているので滑りにくかったりシワになりにくいのは良いのですが、表面が傷んできても裏面に引っくり返して2度使うということはできません。
ホームセンターで購入できる茣蓙の特徴は両面使用できる点は良い点ですね。
価格も安くとりあえず敷きたいという方にはお勧めです。
しかし和室の大きさによっては大きくて納まらなかったり、カットしてしまうとほつれてしまうので、購入してから気付いた場合は重い茣蓙を担いで返品に行かなくてはならないかも。
また、茣蓙用の畳表である『諸目(もろめ)』という織り方の茣蓙が多く、藺草(いぐさ)の本数も少ないので耐久性は期待できません。
諸目
それでは畳店で購入した場合はどうでしょう?
基本的に畳店に依頼すると和室の採寸から始まります。
もちろんお客様が採寸しても構いません。
そこからオーダーメイドで制作をしますので畳の縁を見本帳の中から、ご自由に選ぶことも可能です。
また使用する茣蓙は実際に畳に使用する茣蓙と同一の『引目(ひきめ)』という織り方でできた、諸目に比べて耐久性の高い茣蓙を使用します。
引目
費用は掛かりますが上質なランクを指定すれば畳と同じように長持ちするのも良い点ですね。
デメリットは一言でいえば高価であることです。
しかし職人が仕上げていますし両面使用できますので長い目で見ればお得だとも言えます。
畳と同じで茣蓙でも気にした方が良い製品の産地、国産が実は中国産の可能性も
中国産は安価ですので決して否定はしませんが、国産だと思って購入した茣蓙が本当に日本の藺草で織られているとは限りません。
現在流通している畳表の8割は中国産か樹脂や和紙などの化学表と呼ばれる素材でできています。
中国産の藺草を日本で加工(製織・縫製)しても現在では国産となるため、表記だけを信用すると藺草自体は中国産と言う可能性も出てきます。
国産製品にこだわる方は信用のおける畳店に依頼した方が良いですね。
畳の上に茣蓙を敷くならこれだけは覚えておいてほしいデメリットとその解消方法
畳屋的に言わせてもらいますと、実は上敷き茣蓙ってデメリットの方がはるかに大きいのです。
まず畳の上やフローリングの上に茣蓙を敷くと、茣蓙の厚み分だけ高くなりますので高齢者の方など足を引っかけて転ぶリスクが高まります。
更にフローリングの上では滑り止め加工などが無いと茣蓙が滑りますので非常に危険ですよね。
そのため畳の上に敷く場合は画鋲の大きいサイズみたいな『上敷き鋲』で固定しますが、これをすると定期的に剥がして掃除をするということが無くなります。
結果、茣蓙の目から細かいホコリが落ちて畳と茣蓙の間に溜まり、それがダニの餌やカビの栄養分となってしまうのです。
実際に畳替えで数年振りに茣蓙を剥がすと細かい砂のようになったホコリが畳の上に積もっています。
解決方法としては上敷き鋲で固定しても定期的に(できれば週に1回程度)剥がして掃除機を掛けましょう。
タンスなどの重い家具の下に茣蓙を敷いてしまうと、剥がすことができないため掃除できませんので止めておいた方が良いです。
頻繁に剥がすことができない方であれば畳の目に沿ってゆっくり、とにかくゆっくり掃除機を掛けるという作業でも問題を解消することができます。
更に晴れた日には窓を開けて換気すれば完璧です。
ダニやカビについて気になる方は下記のリンクを。
畳の虫について↓
カビについて↓
まとめ
和室の間取りや用途別に購入先を選んだ方が良いという今回の解説はいかがだったでしょうか?
基本的には上敷き茣蓙は簡易的に敷くもので、畳を隠すという理由ではあまりお勧めしません。
畳の表替えはコスト的に茣蓙よりも高くつきますが、長い目で見れば張り替えた方がお得な場合も多くあります。
勢いで購入するよりも、良く考えてから購入することをお勧めいたします。
因みに当店では1畳5,500円から上敷き茣蓙を販売しております。
詳しくはお問い合わせください。
東京都北区で四代110余年
有限会社八巻畳工業
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