畳替えで気になる点として、畳を引き上げた後に荒板(畳の下の床板)にあるゴミやホコリ。

少しでも早く引き上げ・仕上げて納品した方が喜ばれるかと思い、お恥ずかしい話ですが当店でも数年前まではお客様に掃除してもらっていました。

しかし現在では1日の製作枚数を減らして、できるだけお客様の負担軽減に繋がるよう床掃除は当店で引き受けています。

今回はその畳の下に溜まったゴミの種類別に、床掃除をどの程度業者が行っているかについて解説していきます。

 

 

畳の下に溜まったゴミは、お客様が掃除した方が良い本当の理由

畳替えをする際に家具などが無ければ問題ないのですが、タンスなどの大型家具があった場合は和室内で移動して畳を引き上げます。

その際に代わりの畳を敷いて家具を滑らせ一時的に移動しておきますが、その場所だけは後から掃除するという訳にはいかないので以前から当店でも掃除して移動しておりました。

 

このように移動

 

とは言え前述の通り他の箇所をお客様にお願いしていた理由として、第一に業者の掃除は『ある程度』しかできないという点でした。

お客様の中にはほんの少しでもホコリが残っていても気になる方もいますし、畳の下に敷いてある板には隙間や溝があるため、徹底的に掃除をするには時間を掛けてする必要があります。

そのため時間と体力に余裕がある方は、当店で掃除した後に改めて拭き掃除などしていただくと完璧に近い状態になると思います。

 

板の隙間

 

 

畳を引き上げたら茣蓙(ござ)の切れ端がたくさん出てきた!前に施工した畳屋が畳の下にゴミを置いて行った?

藁(わら)製の畳で良くあることですが畳を持ち上げたら、その下に茣蓙の切れ端が落ちています。

よくお客様から「前の畳屋さん、ゴミを畳の下に置いていっちゃったのね」と言われますが、この茣蓙は出入り部分や畳同士の段差を解消するために敷いてある調整材で、畳の表面が平らになり段差が無くなるように敷いてあります。

当店では敷いてある茣蓙の大きさに合わせて、ある程度は張り替え作業の際に細工するのですが、畳を針と糸で縫い締めますと畳の厚みは微妙に変化します。

ですから納品時に良く踏んで段差が出れば改めて茣蓙の切れ端を畳の下に敷いて段差調整をします。

 

この茣蓙の切れ端を畳の下に入れる

 

当店では掃除の仕方として元々敷いてあった茣蓙の切れ端は多くの場合は再利用しませんので、畳を引き取る際に拾ってゴミ袋へ入れ処分します。

その他には少し大きめで掃除機で吸い取りにくいゴミがありますので、畳寄せ(和室の周りにある木材)や敷居(襖などの下レール)の下をホウキで掃き掃除します。

 

ホウキと塵取りで掃除

 

畳寄せの下を更に掃除機のノズルで吸い取る

 

 

畳の下側になる床材には様々な種類があるが、どの素材でも最後の仕上げは掃除機でホコリの吸い取り作業

昔は畳の下の床材と言えば杉や檜の板を根太(ねだ)の上に並べて敷いていましたが、現在ではマンションなどの集合住宅が増えて様々な床材が使用されるようになりました。

コンパネと呼ばれるベニヤ板の厚い集積木材はもちろん、コンクリート・発泡スチロール・石膏ボードなど建築様式によってたくさんの種類があります。

しかしどの床材でも畳の下に溜まったホコリは掃除機で吸い取る方法が一番です。

掃除機の機能として手前側に引く動作が押す操作よりも吸引するそうです。

床面をゆっくり引きながら溝に溜まったホコリも吸い取りましょう。

 

掃除機はゆっくりと動かす

 

また、畳の下は滅多に風が通ることのない場所ですので、仕上がって新しい畳を敷く前に窓を開け換気して床板を乾燥させておくことをお勧めします。

荒板や置床の場合は板の下側に空間があり、虫の住家になりやすいのでオプションの防虫紙を敷くのも忘れずに!

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

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