年末も近付いてきますと、なぜか和室の障子が破れていたり黄ばんでいるのが気になりますよね。

新年は新しい綺麗な障子で迎えたい!そんなお客様からの依頼で本年も忙しく仕事をいただいております。

しかし、ちょっと経験のある方なら業者に依頼するのはお金が勿体ないと思う方も多いでしょう。

ご自分で障子の貼り替えをすればホームセンターで購入した紙代と糊くらいなものですからね。

でもちょっと待ってください。

その障子貼り替えは労力に対して費用対効果はいかがなものでしょう?

今回はご自分で障子を張り替える手間と、業者に依頼した費用によって分かるDIYのメリット・デメリットを深掘りしていきたいと思います。

自分で障子を貼るコツや手順などは下記を参照してください。

 

 

 

障子の張り替えを業者に依頼するとどのくらいの日数と費用が発生するのか?

 

まず費用に関しては各社違いますので一概には言えませんが、畳1枚程度の大きさで貼り替えなら1枚3,000円~5,000円程度でしょう。

紙の種類によっても価格は変わります。

強度の高い紙や楮(こうぞ)の和紙は高価になります。

当店では高級品が8,000円(税抜き2022年現在)で、障子の幅や丈が規格外(幅広・丈長)になれば更に手間賃をいただいております。

 

貼り替える際の日数は、お預かりする障子の本数や種類によって違います。

数枚程度でしたら即日仕上げも可能ですが、基本的には1泊するものと思ってください。

更に繁忙期では数日のお預かりというのもありますので、雨戸やカーテンがある場合は少しお待ちください。

 

 

自分で障子を張り替えるのなら事前にこれだけは用意しておいた方が良い!

障子の貼り替えが慣れている方ならお分かりかと思いますが、刷毛や定規といった定番の道具以外にも必要な物があります。

それは何といっても『作業台』でしょう。

よく床で貼り替える方もいますが、これは腰を痛める原因になるので絶対に辞めておきましょう。

1枚2枚ならともかく、10枚以上あるのに無理して屈んだ姿勢で貼り替えると腰痛になります。

作業効率も著しく悪いので大きめのテーブルや台を用意して貼り替えると良いです。

具体的には立位で腰の高さより少し高いくらいが理想です。

コンパネ(ベニヤ板の分厚いもの)があれば脚立や組み立てのテーブルを2つ用意し、その上にコンパネを乗せて作業すると腰が楽です。

 

また、お風呂で障子紙を剥がす方も多いと思いますが、思った以上にゴミが出ます。

スポンジなどで濡らして剥がすのであれば良いのですが、ビショビショにして丸洗いするのであれば、お風呂場の排水溝が詰まらないようにネットなどを使用してゴミが流れないようにしてください。

 

台は高いほど腰が楽になる

 

 

ホームセンターで購入したアイロンや両面テープで貼れる障子なら楽勝?その落とし穴を教えます

ご自分で障子の貼り替えをしようと思ったらまずホームセンターに行きますよね。

様々な種類があり、どんな紙を選んだら良いのか迷った時は『簡単に貼れる』という文字に魅かれがちです。

でもちょっと待ってください。

私が知る限り『簡単に貼れる』は『簡単に剥がれる』可能性が高い上に仕上がりは最悪です。

まずアイロン貼りですが下地が悪いと全然貼り付きません。

下地とは障子の木部分で何度も張り替えているようなササクレた凸凹した木ですと、接着面が小さくなるので付きにくい特徴があります。

しかも破けにくいのを売りにしている割に、押すと簡単に剥がれるのでガッカリすること間違いありません。

 

両面テープはアイロン貼りに比べれば接着力が強い上に、糊を使わないので素人でも簡単に貼れそうですよね。

そう思いますが実は糊より手間(時間)が掛かりますし、紙がピンと張りにくいのでシワが出来やすいというデメリットがあります。

どちらの商品も障子紙自体がいわゆる【紙】にフィルムのような物が薄く貼ってあり、紙自体の伸縮性がほとんどありません。

そのため普通の紙であれば湿気を吸った時に膨らみ、乾燥すると縮むといった事がないため、よほどピンと張らないといつまでもシワっぽく弛んだ印象です。

あまりお勧めできませんね。

 

両面テープ貼りは手間が掛かります

 

 

自分で障子紙を張り替えるなら結論はこれだ

普通紙でも強化紙でも良いのですがフィルムのようなものが貼ってある障子紙は避けた方が無難です。

中には太陽光でその薄いフィルムが粉々に剥がれてくる商品もありますし、そもそもが障子に接着しにくい作りになっています。

市販の障子用糊で構いませんので、紙は糊で接着すると長持ちします。

因みにプロが使用する【強化紙】は紙にレーヨンが混ぜてあるので、普通の紙のように湿気を吸ったり吐いたりしますし、乾燥すれば適度に縮みしっかりと張ります。

プラスチック製のワーロンなどは両面テープで貼るなど素材によって貼り方や工程が違いますので、一生懸命自分で貼り替えたけど疲れるし仕上がりが悪い・・・。

そんな方はプロに依頼する事をお勧めします。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

03-3917-9827