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その1はこちら↓
創業110年以上続く畳店の四代目が素人に『畳を作らせる』ということは、業界的には完全にタブーであります。
しかし「どうしても自分で畳を作ってみたい」という人や「素人だけど自分で作るしかない」という人が世の中には少なからずいますよね?
そんな方が適当に作った畳で縁が剥がれて、ガンタッカーのステープルが飛び出し怪我をしたりするくらいなら・・・。と表面上は安全な逢着にこだわった製法を伝授してきました。
素人でも出来る【畳の表替え】動画はこちら↓
素人でも出来る【畳の裏返し】のブログはこちら↓
長手側の畳表両端をカッターで切り落とす
先程切り込みを入れた3か所を通して畳表の端を切り落とします。
下敷きを入れて定規を置き、カッターで切り落とすのですが、この時に畳表の目が真っ直ぐに通っていることを確認するのが重要となります。
切り落としたら畳床(たたみどこ)にピッタリ合わせ上敷き鋲で動かないように仮止めします。
その後メジャーを使って畳床と同じ幅の位置に切り込みを入れて3か所に印をします。
先程と同じように下敷きを入れて定規を置き、もう片方も畳表を寸法で切り落とします。
この状態で畳表の幅は畳床と同じ幅になっているはずです。
下敷きを入れて定規を置いて切る
畳縁と縁下紙をセットして『かん二郎』で縫い上げる
いよいよ縁を縫い付ける作業に入ります。
下ごしらえの写真が無いので、この辺は【縁セット編】で詳しく解説しています。
縁は端から1.6cm程度の位置にセットして片側の側面に鋲を刺し、もう片側は強く引いてテンションの掛かった状態で同じように側面から鋲で留めます。
縁の上に縁下紙を乗せ縁の端に合わせてこちらも上敷き鋲で固定します。
どの位置も1.6cmになるようにして鋲で仮押さえしておきましょう。
続いて端から2.5cmのところにボールペンで印をして線を引きます。
後々この線の位置で折り返すとそれが縁の幅となります。
縫う際は縁下紙の端からこの線の間を縫っていきます。
線を引く
『かん二郎』は1本糸を環縫いできる道具です。
基本的な動作は以下の通りです。
・刺す
・針に糸を掛ける
・90度内側に捻る
・持ち上げる(抜く)
・90度外側に捻る
・刺す
この繰り返しです。
女性の力でも縫うことができます。
必ず畳の下に出ている糸を片方の手で軽く引きながら作業をします。
詳しくはこちら↓
刺す
90度内側に捻ってから抜く
縫い付けた畳縁を返して側面を手縫いする
自分で出来るDIYシリーズでは、今まで縁の側面をガンタッカーで打ち付けて仕上げていました。
今回は畳床(芯材部分)がダイケンボード(木質チップボード)とスタイロフォーム(建材用発泡スチロール)製でしたので、手当(てあて)と畳針で縫ってもらいました。
まず先程引いた線で折り返すので、線の上を針でなぞり縁下紙が折れやすくします。
折り返した紙は側面にも折れ目を入れて角を立たせてください。
縁も同じように返して畳側面に鋲で仮留めしていきます。
両端の隅をキッチリ織り込んで仕上げたら短手側面と裏面からステープルで留めます。
この辺の詳しい説明は【縁の返し編】をご参照ください。
いよいよ手縫いです。
斜め上から前方斜め下に向かって針を刺し強く押し込みます。
斜め上から刺す
針を押し込む
等間隔で縫っていく
力は多少必要ですが、女性の方でも縫い上げることができました。
糸は緩みやすいので縫ったら軽く糸を引っ張ると良いでしょう。
反対側も同じように縁と縁下紙を返して仮留めし縫い上げます。
完成した小上がりの畳
まとめ
【自分で出来る畳の新調】はいかがだったでしょうか?
指導に熱が入り写真が少なく丁寧な説明が出来ませんでしたが、畳の床(とこ)を切る作業以外は過去のブログでアップした裏返し編と、動画で撮った表替え編と同じですので参照していただければ幸いに存じます。
今後、材料や道具の販売もしていきますので畳屋でなくても作れるようになるのもすぐだと思います。
くれぐれも針や刃物を使用しますので怪我だけはお気を付けください。
畳表や道具類を購入希望の方は下記のリンクを参照してください。
東京都北区で四代110余年
有限会社八巻畳工業