冬の寒い時期にエアコンやストーブを点けても、なかなか部屋が暖まらないのには理由があります。

マンションのように気密性が高い部屋であれば暖かいと思いきや、実は建具と呼ばれる【襖(ふすま)】や【障子】に隙間があると廊下や隣の部屋からの冷気が流れ込んでしまいますよね。

今回はその襖・障子の隙間ができてしまう理由や解消方法について解説していきます。

 

襖同士の隙間

 

 

逃げるのは冷気だけではなかった!?襖や障子の隙間は熱効率が悪くエアコンなどの光熱費にも影響がある

この記事を書いている現在は冬なので冷気が入ってきて部屋が冷える時季ではあります。

しかし襖や障子に隙間があると夏でも暖気が部屋の中に入ってきてしまいます。

一番影響があるのはエアコンなどの光熱費。

ピッタリと閉まっていれば冷気や暖気が逃げずに効率が良いのですが、隙間があるだけでせっかく冷やしたり温めた空気が逃げてしまいます。

電気代が急激に高騰している昨今、些細な事と思わずにちょっとした工夫でお得にエコ活動してみるのも良いかもしれません。

 

 

襖や障子に隙間があるのは当たり前?隙間ができやすい家の特徴とその解消方法とは

基本的には襖や障子は90度の直角で、その枠も直角で構成されていると思う方がほとんどだと思います。

しかし長年和室の畳や襖などの建具を扱っているプロから言わせてもらいますと、木材でできた枠は多くの場合は新築でも微妙な傾きがあります。

その理由は施工をする大工さんの腕が半分。

もう半分は木材が呼吸していることによる反りや捻じれによって起こります。

とは言え新築物件であればそれほど大きい傾きは少ないでしょう。

問題は築30年以上経過している建物で、地盤が緩かったり傾斜した土地に建てられている場合です。

そのような物件では柱や木枠が歪み直角に作られたはずの建具が枠にピッタリ納まらなくなります。

この現象は戸建ての木造建築に多いのですが、実際にはマンションなどの集合住宅でも高頻度で起こっています。

 

解消する方法は大きく分けて3つります。

1 襖や障子を新調して傾いた状態で作り直す

 

2 既存の襖や障子の桟を削り傾かせて調整する

 

3 隙間を埋めるために『隙間テープ』を貼る

 

現在住んでいる家主さんが自力で出来るとすれば3の隙間テープでしょう。

こちらはホームセンターに売っていますので、柱や木枠側に貼って空気の移動を防ぎます。

もし襖や障子を張り替える予定のある方は施工業者に相談してみてください。

簡単ではありませんので少し料金は掛かるかもしれませんが、今後の光熱費に換算すれば安いもんです。

 

プロの解消方法としては襖の場合は貼り替え時に本体の枠か枠の内側を鉋(かんな)で削って左右の高を調整します。

障子は下桟を削って調整するしかありません。

少しの隙間であれば下桟に厚みのあるものを足して傾け、微調整をします。

この方法であれば概ねサービスでしてくれる業者が多いと思います。

 

障子の隙間

 

 

年数が経つほどに家が徐々に傾いていくのであれば、襖・障子の調整はどうしたら良いの?

経年劣化というよりどんな家でも多少の傾きはありますし、鴨居(かもい)と呼ばれる建具の上側のレール部分は真ん中が垂れ下がってきます。

そのため隙間だけではなく動きが悪くなることもありますので、年数が経てば経つほど調整は必ず必要になってきます。

当店では襖や障子などの建具を新調した場合は【KTすべり】という、素人でも調整可能な傾き調整具を標準的に採用しています。

この器具は襖などの傾きをプラスドライバー1本で調整できるようになっており、数年後・数十年後に柱や枠が傾いても簡単に調整可能な便利な器具です。

襖・障子の新調をお考えの方はお気軽にご相談ください。

 

KTすべり

 

プラスドライバーで調整

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

03-3917-9827