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古くボロボロになった畳と違い、まだ少し青みの残った新古品のような畳でも事情によっては「他の場所に移動できないか?」と思う方もおられると思います。
特に多いのは1枚だけ汚してしまったので他の畳と入れ替えたい。
他にも和室をフローリングに変える場合、引っ越しによって既存の畳を流用したい、など様々だと思います。
畳も他の場所でリサイクルできればエコですし、新しいのであれば勿体ないですよね?
今回はそのような、まだ使える畳を再利用するにはどうしたら良いかについて解説していきます。
そもそも畳の新しい状態ってどの程度の使用感なのか?
自室で毎日見慣れた畳の場合、経年劣化や日焼けに家主がいきなり気付くというのは難しいですよね。
しかし実家や友人宅に行って明らかに傷んだ畳であれば誰もが「劣化しているな」と思うはずです。
私も仕事柄お客様宅の畳を新しく張り替えると「畳ってこんなに青かったんだ!」と感動されることが良くあります。
正確には【青畳】の青は植物の深緑であって青色ではありませんが、新しい畳は退色していない綺麗な緑色をしています。
およそ半年程度で緑色から薄い黄緑色になり、2年も経つと薄く黄色みがかってきます。
当店では裏返しの目安は3~5年と伝えている理由として、畳表の裏面まで日焼けする手前であれば少し青みが残っていて、新しい畳にかなり近い状態に戻せるからです。
そのため3年以上経過した畳は家主が新しいと思っていても、実はかなり日焼けしているという場合が多くあります。
退色は天然植物ならでは特性ですので悪い事ではありませんが、お部屋の明るい印象には大きな影響を与えるかもしれません。
左:10年経過 右:新しい畳
京間・中京間・関東間・団地サイズ?住む地域によって実は違った畳のサイズ
知らない方も多いのですが大きく分けて関西以南、名古屋などの中部、関東以北で畳のサイズは微妙に違います。
・関西以南 京間(きょうま) 約191cm×95.5cm
・中部地区 中京間(ちゅうきょうま) 約182cm×91cm
・関東以北 関東間・江戸間(かんとうま・えどま) 約176cm×88cm
・集合住宅 団地間(だんちま) ※関東間より更に小さいサイズ
このようにお住まいの地域によって畳のサイズは違います。
昔と違って現在では関西以南の地域でも関東間サイズが多くなってきましたが、それでもまだバラツキがある上に公団住宅のように団地間と言って更に小さい畳のサイズまであります。
引っ越しなどで畳を持って行かない理由の一つに、このような地域性があるというのもあります。
詳しくはこちら↓
実は一般人のほとんどが知らない畳が1枚1枚全てサイズが違うオーダーメイドの理由
普段足元にあってじっくり見ることのない畳ですが、ご自宅に畳のある方は壁側の畳の縁(へり)と畳表の境目を何枚か見てみると違和感に気付きます。
畳の目と呼ばれる表面の凹凸は多くの場合(裏返した畳を含まない)畳同士が合わさる箇所で、凹凸が縁に沿って一定に揃っているはずです。
しかし壁側の縁際は端と端で凹凸が真っ直ぐ揃っていない畳があると思います。
これは和室の作りが90度の正方形や長方形ではなく、大袈裟に言うと台形や平行四辺形に近い形をしているためです。
嘘のような本当の話ですが、約30年畳屋をしていて一度も歪んでいない和室というものに会ったことはありません。
関東では特に真壁(しんかべ)という在来工法で柱が畳に干渉しますので、柱が少し出ているだけでも少し引っ込んでいるだけだけでも寸法は変わってきますよね。
そのような理由から畳のサイズは一定ではなく、1畳1畳全て違う大きさのオーダーメイドということに納得していただけたでしょうか?
畳同士が合わさる縁際は綺麗に畳目の山が出る
まとめ
上記の理由から基本的にサイズが1枚1枚違う畳は、入れ替えることがかなり難しい(偶然近い寸法で入ることはある)という事がご理解いただけたと思います。
新品に近いので再利用できないかという気持ちはとても良く分かるのですが、その場合はフローリングの上に【置き畳】として利用するとサイズが関係ありませんので良いかと思います。
処分でお困りの場合は下記のリンクを参照してください。