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梅雨時期には「畳にカビが生えてしまった!どうしたらいい?」というご相談を多く受けます。
天然素材である藺草で織られた畳表は、高温・高湿度・栄養が整うとカビが生えやすくなってしまいますよね。
十分な換気や除湿機、エアコンである程度は防ぐ事ができますが、地下や1階の和室、風が抜けにくいなどという家の構造上の理由で、どうしてもカビが生えてしまう和室もあると思います。
その場合は天然素材を諦めて樹脂や和紙、塩ビ製の畳表をお勧めするのですが、それでも「天然の藺草が良い!」というお客様に試してほしい方法と素材があります。
今回はカビの生えやすい環境でも天然素材の藺草に癒されたい方必見です!
天然素材じゃなくてもカビが生えないメンテナンスフリーの和室が良いという方は下記のリンクをご参照ください。
畳にカビが生えるメカニズムを知れば予防方法も見えてくる?
私が「畳にカビが生えちゃった!」とご相談を受ける中で一番多い和室の場所は1階です。
単純な話ですが湿度というのは地上では地面に近いほど高くなりますので、1階に和室がある場合は2階以上よりも確実にカビの発生率が高くなります。
更に地下の場合は1階の2倍以上カビの発生率は上がるのですが、地下に和室を構えるご家庭はほとんどありませんので、結果1階が一番高リスクということですね。
一軒屋の場合は床下に十分な高さを取った部屋で、地面(床下)が乾いているとカビのリスクは低くなります。
逆に田んぼを宅地化した物件や、昔は池だったなどの立地では地面からの湿気が強く畳にカビが生えやすい傾向にあります。
床下換気をしないと弊害である『シロアリ』の発生や、床板が腐ってしまうといったこともよくあります。
簡単には対策出来ない部分ですので、畳替えの際に点検すると良いでしょう。
また昨今では冬の時期でも結露の酷い部屋などでは、窓からの水滴によって畳にカビが生えてしまう事例もあります。
高気密のマンションなどに多く、高層階でも油断は出来ません。
畳にカビが生えるのは畳を新しくして初めての梅雨時期が一番多いということをご存じでしょうか?
1年目が一番カビ発生率が高い理由は、畳自体の『栄養』にあります。
新草は栄養分が豊富なため2年目以降に栄養分が抜けた畳に比べてカビ発生の確率が高いのです。
畳に使用される『藺草(いぐさ)』は天然植物ですので湿度が高ければ当然カビが生えます。
野菜でもそうですが緑色をしているうちは古くなるとカビが生えますよね?
でも完全に枯れて茶色くなるとカビは生えにくくありませんか?
要するに茶色くなるほど栄養分の抜けた植物からはカビが生えにくいのです。
そのため畳替えをした直後の梅雨時が一番リスクが高いという事になります。
実際に試してほしい畳からカビを発生させないためのテクニック
結論から言いますと畳からカビを生やさない一番の方法は『一日中エアコン・除湿器による湿度制御』になります。
しかしこれは現実的ではなく、こんなの推奨してると畳の部屋が減って商売にならないので却下しますね。
どなたでも出来るカビを防ぐ対策としては『部屋の換気』です。
カビの発生条件である『高温』と『高湿度』を解決できるのはエアコンだけではありません。
窓を開放して外気を取り込むのはお金が掛かりませんし、どなたでも可能ですよね?
もし難点があるとすれば外出時の防犯が理由に挙げられます。
この場合は外に面する窓を開け放つのではなく、和室の間仕切りである『ドア』や『襖』を開けておいてください。
和室のみを閉鎖してしまうと、畳が吸った水分が飽和して放出できなくなりカビが生えます。
間仕切りの建具を開け放つことにより空間を広げて少しでも飽和を防ぎましょう。
お手入れやメンテナンス以外の方法で天然藺草の和室をカビから守る方法とは
昔では考えられませんでしたが、現在では天然の藺草を使用した畳表であるのに『撥水』性能が付与された新商品があります。
この畳表は藺草1本1本に撥水加工がされていて、畳に水をこぼしても蓮の葉に溜まった水滴のように水を完全に弾きます。
そのため高湿度の環境でもカビに強く、かつ天然藺草の良さも兼ね揃えた畳表なんですねー。
主に水分をこぼしてしまいがちな、お茶室などに使用しています。
水滴が玉状になってなっている
拭き取ります
染み込んでいません
とは言え撥水加工は高額になるというのが嫌なお客様もいますよね。
そんな方であれば『防カビ加工』がお勧めです。
畳の張り替え時に当店で防カビ成分の入った薬剤を散布してから納品します。
こちらであれば施工代金にプラス1,000円程度でカビを防ぐ事ができます。
絶対にカビを防げるというものではありませんが、天然藺草を使用してカビを防ぐには最適な加工であると言えます。
詳しくはこちら↓
シグナル | 東海機器工業株式会社 (tokai-kiki.co.jp)
まとめ
いかがだったでしょうか?
日頃のお手入れやメンテナンスだけでは防ぎにくいカビ。
また、分かっていても手間を掛けられないという方向けの防カビ素材と加工を今回はご紹介させていただきました。
カビが生えたからといって畳をフローリングにするのは意外とお金が掛かりますよね。
そんな時は当店にご相談ください。
東京都北区で四代110余年
有限会社八巻畳工業
03-3917-9827