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自宅の襖や障子などの引き戸を開け閉めしようとして『なんか重い』時や『なんか引っ掛かる』って時がありますよね。
特に良く開閉する出入り口の建具がそのような状況になりやすいのには理由があります。
でもこれを解決するためだけに業者を呼ぶのも・・・、と思う方に向け、今回は自分で簡単に襖や障子がスイスイ開閉できる方法を解説していきます。
この方法を試してダメな場合は敷居(しきい)や鴨居(かもい)、または襖・障子本体に原因があります。
その場合は無理をせず建具屋や表具店などの業者に依頼しましょう。
古い家は特に開閉し難い
襖や障子が動きにくく引っ掛かった感じで開閉が重い時はここを疑って
通常引き戸の襖や障子(以下建具【たてぐ】と呼ぶ)は敷居(下側のレール溝)に沿ってスライドさせ開閉します。
敷居は木材で出来ていますので良く開閉する出入口の場合、摩擦によって溝が深くなっていき滑りが悪くなります。
最近の新築物件などでは『敷居滑り』というテープが貼ってありますので、そのテープが摩耗で擦り減らない限りは開け閉めに問題ありません。
敷居滑りというテープ
しかし古い家では木材で出来た敷居の上を木材の枠で出来た建具がスライドし、木が擦り減って滑りがどんどん悪くなってくるという事です。
建具の開閉がスムーズにいかない場合は、ほとんどが上記の理由ですので以下の解決方法を一度は試してみてください。
素人でも自力で出来る!今までの悩みは何だったのかと思うロウソクを使ったDIY
結論から先に言いますと敷居の溝にロウソクを擦り付けて滑りを良くすれば解決です。
「なんだ簡単だな!」と思ったそこのあなた。
そうなんです、簡単なんです☆
葬儀用の太いロウソク
一応説明しておきますと、ロウソクなら何でも良いのですが太い方が圧倒的に早く終わります。
お仏壇用の小さいロウソクは細くて折れやすい上に何度も往復しないといけませんが、葬儀などで使用する太めのロウソクなら1往復すれば十分効果を発揮します。
「ロウソクなんて自宅に完備してないよ」という方、思い出してください。
誕生日のケーキに刺す数字のロウソクがありませんか?
引き出しの奥にあるかも
これなら持っている方もいると思いますし、太いので折れにくく幅もあって最適です。
それも家に無い方は実家に帰るとお仏壇の前に大抵ありますし、コンビニでも細いのであれば売っていることがあります。
一度試してみてください。
ロウソクを敷居に塗っても滑りが悪い場合の理由と対処方法
ロウソクを試してみても滑りが悪い場合、考えられる原因として以下の理由が考えられます。
1 鴨居(上側のレール)が中央付近で垂れ下がってきて、建具の頭が擦っている
この場合は鴨居自体に問題があるため自力で解決するのは大変困難です。
解決方法として大工さんに鴨居の中央を持ち上げてもらうというのがありますが、天井裏から床を切って鴨居を支える束を上げる作業はそこそこ大事ですよね。
もう一つは建具の上桟を削って丈を短くする方法。
こちらも鉋(かんな)を使用して削るため自力は難しいと思います。
挑戦してみたい方は下記のリンクを参照して自己責任でお願いします。
2 鴨居や敷居が反って曲がっている
通常真っ直ぐでなければ鴨居や敷居といったレールは木材の特性で反って曲がることがあります。
レールが曲がればスライドする建具が引っ掛かって動きが悪くなるのは当たり前ですよね。
この場合はまず、反りが出ているかを判断するのが大変難しいため、この理由であるかの特定自体が難しくなります。
長い真っ直ぐな定規などあれば当てて確認してみてください。
曲がっている箇所の溝を真っ直ぐに削れば解消すると思いますが、これもまた素人にはハードルが高いですよね。
3 襖や障子などの建具自体が反って湾曲している
こちらも厄介な現象ですが、実はこの現象は意外にも多くあります。
襖や障子の外枠は木材ですため、湿度や経年劣化の関係で湾曲してしまう事があるのです。
このような場合は自分で発見することが困難なため、貼り替えのタイミングで表具店さんなどに矯正してもらうと良いかもしれません。
4 敷居の溝が削れ過ぎて傾斜している
毎日開け閉めしてしている引き戸は摩擦で敷居の溝が削れて滑りが悪くなるという話は上記でしましたよね。
しかしその状況で更に開閉を繰り返すと建具の往復で閉まった状態に来る箇所だけ擦れる回数が多くなり、敷居の溝に傾斜がついてしまいます。
そのような場合は占める時は軽く動き、開ける時に重いので力がいるという状況です。
心当たりのある方はこれを疑ってください。
ただこのような場合はロウソクで解決することが多いので、ロウを縫っても滑りが悪ければ相当傾斜しているという事です。
思い切って敷居自体を替える必要があるかもしれません。
5 敷居滑りが太陽光で劣化し切れているか剥がれている
先程ご紹介した『敷居滑り』というテープですが、窓際などの場合太陽光で劣化して千切れたり剥がれたりすることがあります。
テープ状とはいえ厚みが1~2㎜ありますので途中で切れて縮んでしまうと段差になり、そこで建具が引っ掛かって動きが悪くなることも。
この場合は敷居滑りをホームセンターなどで購入し張り替えてください。
簡単に言いましたが窓にある場合は部屋内から見て手前側の列は両面テープが効いていますので、剥がす際に敷居溝の木材を一緒に剥がしてしまう事もありますのでお気を付けください。
6 戸車が劣化して壊れている
戸襖と呼ばれる建具は自重があるので二つの戸車と呼ばれる車輪が付いています。
この戸車は通常プラスティックや樹脂で出来ていますので、これが劣化して壊れてしまうと車輪としての役目を果たせません。
大抵の場合はガタガタ言いながら横滑りするのですが、戸車の溝に入った髪の毛やゴミで車輪が回らず滑りが悪くなることも良くあります。
この場合であれば戸襖を一度外して戸車を抜いて溝部分を掃除すれば良いと思いきや、ゴミで固まったまま開閉していた場合は車輪が平らになっているので掃除して回るようになってもガタガタします。
貼り換えのタイミングで業者に依頼して戸車交換をした方が賢明ですね。
戸車
まとめ
いかがだったでしょうか?
自力で出来る範囲と業者に依頼した方が早い事例をご理解いただけたかと思います。
先程は気軽に業者のことを『表具店』と書きましたが、現在ではかなり減ってしまい見つけるのも困難かと思われます。
専門店ではありませんが当店のように襖・障子を取り扱う畳店は全国にあります。
自力では難しい場合、そのようなお店に問い合わせてみるのも良いかもしれませんね。
当店の施工範囲内であればお気軽にご相談ください。
ご相談はLINE公式が便利ですよー。