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寺院や神社などの和室に間仕切りとして使用される【襖(ふすま)】には、掛け軸のように書画が貼り付けてあることがあります。
通常の襖であれば本紙(襖紙のこと)を剥がして新たに張り替えるだけで済むのですが、書画が上から貼られている場合には一度書画のみを剥がして本紙を張り替え、改めて書画を貼る必要があります。
このような書画の張り替えはどのような業者に依頼したら良いのか?
今回は需要は少なくとも確実な仕事で後世に書画を残す施工をしてくれる業者さんを解説していきます。
4枚両面に貼られている書画
襖の書画背景:その歴史と独特な技法
襖とは、木製の枠組みに和紙や布を張ったもので、和室の間仕切りや扉として使われています。
この襖には様々なデザインや技法がありますが、特に歴史的な建造物や格式ある場所では、書家や画家によって制作された書画を使用することが一般的です。
これらの書画襖は、室内の風格を高めるだけでなく、訪れる者に安らぎや感動をもたらす存在として重要な役割を果たしています。その歴史は平安時代にさかのぼると言われており、宮中や公家の邸宅で使用されるようになったのが始まりです。
書画の技法としては、筆、墨、紙、そして独特な筆使いが求められます。書画の内容や形式は、その時代の文化や流行、さらには依頼主の要望によって変わってきました。
書画付き襖張り替えの特徴:通常の襖との違い
通常の襖の張り替えは比較的シンプルな作業となります。
主に和紙を新しくして、風合いを取り戻すことが目的ですが、書画が付いている襖の場合その取り扱いは非常に繊細であり、特別な技術が求められます。
まず、書画部分を損なわないように剥がす作業が必要です。この工程は、書画の墨汁が滲んだり、紙が破れるリスクがあるため、慎重に行われます。
次に新しい和紙を張った後、剥がした書画を再度貼り付ける作業が行われます。
この工程の中で最も重要なのは、書画を元通りに復元することです。
このため、書画を剥がす際のメモや写真などの資料を活用して元の位置や角度、バランスを保つことが大切です。
書画付き襖を長持ちさせる業者選びのコツ
書画付きの襖の張り替えは一般的な襖の張り替えとは異なり、特別な技術や経験が必要です。
そのため、適切な業者を選ぶことが非常に重要です。
- 実績や経験を確認する: 長い間、この業界で活動している業者や、実績のある業者は信頼できる可能性が高いです。
- 専門の技術や知識: 書画付き襖の張り替えに関する専門的な技術や知識を持っているか確認しましょう。
- 相談や見積もり: 実際に業者に相談し、見積もりを取ることで、その業者の対応や考え方を知ることができます。
最後に、書画付きの襖は、ただの間仕切りではなく、歴史や文化、そして技術を感じることができる貴重なアイテムです。その価値を理解し、大切に扱うことで、次世代にもその美しさを伝えることができるでしょう。
張り替え前の襖
張り替え後の襖
まとめ
当店では襖の張り替えを承っております。
しかし書画の貼り替えは上記のように難易度が高く、熟練の経師屋(きょうじや)さんや表具師さん依頼しております。
今回は書画の染み抜きまではしませんでしたが、染み抜きまでするとなると技術だけではなく大変な預かり日数が掛かります。
書画の貼り替え参考価格は1面50,000円~。
染み抜きは1面100,000円~が相場になると思います。
一見高額に思えるこの金額も、日本古来の伝統技術と手間暇をかけた貼り替え日数に換算すれば、決して安い物ではないと言い切れます。
※この他に本紙の張り替え料金が別途掛かります(襖の大きさ・紙の種類によって価格は変わります)