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普段目にする機会の少ない畳の下側ですが畳を引き上げると「あれ?初めて見たけど、うちの床板こんなになってるの!?」と驚く方が多いと思います。
建築様式によって様々な床材が使用されていますので、シリーズでその構造と掃除の仕方、出やすい害虫や通気性について解説していきます。
シリーズ4回目の今回はマンションなどの集合住宅に多く使用している置床構造についてです。
そのような床板材を使用した畳の下になる床は置床(おきゆか)と呼び『パーティクルボード』という板材が使用されています。
置床(おきゆか)
畳の下に敷かれている床材【パーティクルボード】とはどんな素材でできているのか?
主にマンションなどの集合住宅に使用されているパーティクルボードは、木材チップを集積して接着剤で固めた板です。
強度によって使用箇所は変わり壁材にも使用されることが多くあります。
天然の一枚板と違って湿度変化での反りやたわみが少ない反面、水濡れに弱く一度濡れてしまうと接着剤が弱くなり耐久性が著しく劣化します。
また床材としてのデメリットは『支持脚』と呼ばれる束状の脚が4~5点で1枚を支えているため、良く踏まれる個所での凹みやガタつきが経年で発生してきます。
現在の主流は支持脚を接着剤で固定するタイプが一般的ですが、過去には床面からマイナスドライバーで支持脚の高さ調整を行うタイプがあり、その場合は歩行振動によってネジが回り水平をキープできないくなるという現象も多くありました。
継ぎ目はクラフトテープで塞いである
【置床・パーティクルボード】で出来た畳の下の床構造と素材による特徴とは
置床のメリットは何といっても床下空間の確保です。
コンクリート直の床面に水道管や排水管・ガス管などが通る場合は、その配管の上に床面がこなければなりませんよね。
支持脚以外は床下が完全に空間となりますのでマンションなどの集合住宅にはよく採用されるのも納得がいきます。
配管
デメリットとしては上記に挙げたように凹みやガタつきが発生する可能性が高い点と、漏水などによる水害により耐久性が著しく落ちる点です。
他の床材や構造と同じように畳を敷いた床面の更に下側に空間ができますので、蓄積したホコリやゴミを餌とする虫がパーティクルボードの下に住みやすい傾向にあります。
畳替えの際には防虫紙を敷いておいた方が良いでしょう。
安全な防虫紙
畳の下が置床だった場合のメンテナンスと掃除方法とは
基本的に畳替えの際にしか床下は掃除しないと思います。
置床自体はそれほど昔からある床工法ではないので、上に乗る畳は藁(わら)製よりもダイケンボードなどの新建材が多く感じます。
そのため畳同士の段差が少なく畳の下に入った段差調整用のゴザもあまり入りませんので、畳替えの際にする掃除は楽です。
置床は必ずと言ってよいほどパーティクルボードの継ぎ目にガムテープが貼ってあります。
これが破けていて下の空間から出てくる虫を怖がるお客様もいるのですが、実は部屋の壁側四辺には隙間がありますのでそれほど神経質にならなくても大丈夫です。
気になる方は防虫紙を敷くと良いでしょう。
どうしても床下が気になるという方も中にはいますが接着固定されている場合がほとんどで、置床を剥がして掃除するというのは後のガタつきを発生させる原因になりますのでお勧めしません。
この上に合板ベニヤとフローリングを張る
畳やその下に発生する害虫については気になるところ。
詳しくは下記のリンクをご参照ください。
当店では床板の張替工事も承っております。
気になる方はお見積り時に「部分的に畳が凹む」など、違和感を教えていただけますと幸いに存じます。