襖と言うと古臭いイメージがありますが現在では古典的な柄にも関わらず、お洒落な雰囲気に見える襖柄も多く発売されています。

今回は『いかにも古臭い』というイメージを打ち破る【角兵衛】という襖見本のNo.608を新調施工した事例です。

 

 

 

都営住宅に多い段ボール襖は張り替え不可で新調するしかないって本当?

都営住宅とは限りませんが公団住宅やマンションに多い【段ボール襖】ってご存じでしょうか?

通常、襖の作りは障子の組子のように木の桟が縦横に組んであり、その上に厚紙を貼って薄い茶チリという下張りしてから本紙(襖紙・唐紙)を貼ってあります。

このような襖を【本襖】と呼ぶこともあります。

しかし段ボール襖とはその名の通り本体が段ボールで出来ており、木枠(縁)はあるものの段ボールに接着してるため取り外すことが出来ません。

そのため本襖のように縁を外して紙を側面に回し込んで貼るような施工は出来ず、貼り替え時には戸襖のように縁の内側で本紙をカットする施工しか出来ません。

そのため湿度の変化などによる原因で切り口から下地ごと剥がれてきてしまうことも。

畳店はもちろん、表具店でも段ボール襖の張り替えは断るお店がほとんどです。

更に断る理由として襖本体が反りやすい傾向にあるというのも大きな要因です。

本体が段ボール製の襖は張り替えた際に紙の収縮によって弧を描くように反りやすい特徴があります。

張り替え自体が上手くいっても湿度変化などにより襖が反ってぶつかり、開閉が出来なくなる事例を知っている業者はクレームになりますので張り替え工事を請けません。

通常の寸法でも反りやすい段ボール襖ですが【丈長(たけなが)】と言って2m以上ある段ボール襖は特に反りやすく、近代マンションで多く使われているのに使い捨てという現状があります。

当店でも既存が段ボール襖の場合は張り替えではなく新調をお勧めしています。

 

 

段ボール襖が安価と思いきや、実はそうでもない理由と素人でも分かる見分け方

集合住宅に多く採用されている段ボール襖は、素材が段ボールなので「安価なら新調も段ボール襖にして使い捨てれば良い」と思いますよね。

しかし段ボール襖が安価であるのには条件があります。

それは【大量発注】が条件であります。

要するに新築の集合住宅のように同じ寸法で大量発注した場合は段ボール製の襖が安いのは間違いないのですが、個別発注では最小ロットとなるため実はそれほど安くありません。

しかも使い捨てになってしまいますので、よく考えると本襖を新調して汚れてきたら貼り換える方がメリットがあるという事になります。

 

ではご自宅の襖が本襖か段ボール襖かを見分けるにはどうしたら良いでしょうか?

素人の方でも簡単に見分ける方法は襖本体の中央部分を手のひらで上下左右に擦ってみてください。

前述の通り本襖は本体が障子のように組子と呼ばれる木の桟が縦横に配置された作りとなっています。

手を押し当てると芯材の木が出っ張りますので分かると思います。

 

紙が破けて見えた縦横に入っている木の桟

 

しかし段ボール襖は本体が段ボールなので掌で撫でても板のように平らです。

撫でても凸凹が分からないようでしたら間違いなく段ボール襖ですね。

 

 

古い都営住宅でも素敵なリノベーション、本襖の角兵衛21集No.608の新調施工事例

古い都営・公団・マンションに引っ越しをする際、大抵の場合はリフォーム業者がリノベーション後に入居しますよね。

その場合は襖の柄やランクは入居者が選ぶことが出来ませんので、リフォーム業者のセンスによって柄が決められてしまいます。

今回の都営住宅では既存が段ボール襖という事もあり新調をお勧めし、数あるカタログの中より【角兵衛608】をお選びいただきました。

和室ですが古臭いイメージではなく、古典的な柄のわりに斬新なデザインが現代風でとても気に入っていただけました。

他にも現代的な襖柄は多くありますので見本の中から、ご自分の好きな柄や耐久性などのランクを見比べて依頼してみるのも楽しいと思います。

当店の襖料金表は下記の通りです。

今回の【角兵衛】は『格安品(新鳥の子紙)』という部類です。

 

角兵衛608

 

見る角度によって色合いが変わる