毎日見慣れていると色の変化に気付きにくい障子ですが、張り替えてから3年以上経過した障子はかなり変色しているって知っていましたか?

試しに自宅の障子の横にコピー用紙を並べてみてください。

自分では白いと思っている障子。

だいぶ変色していることに驚くことでしょう。

今回はそんな変色のメカニズムと、自然に落ちていく紙の耐久性について説明させていただきます。

できるだけ貼り替えないで白さと耐久性をキープしたいという方は最後まで読んでいただけると幸いに存じます。

 

 

障子が黄色っぽく変色してきた、何もしていないのになぜ?

障子紙が真っ白から経年劣化で黄色っぽく変色してくる理由は大きく分けて2つあります。

まず1つ目は【太陽光】による日焼けです。

同じ和室でも良く陽の当たる南側の障子を、ほとんど陽の当たらない北側の障子と並べてみると、驚くことに南側は北側に比べ黄色く変色していると思います。

全ての天然素材で言えることですが太陽光は物を劣化させます。

紙の場合は古い本を思い浮かべてもらえると分かりやすいですよね。

古書ほど本の断面など光に当たる部分が黄色から茶色に近い変色をしていると思います。

中身の紙に比べて光に当たる断面部分が変色するという事は、太陽光が関係しているという証拠になります。

障子の紙も陽に当たり、気付かないうちに徐々に変色してきます。

 

変色し破れた障子

 

新しく貼り替えた障子

 

 

他にもあった障子の紙が黄色く変色してしまう原因は和室にありがちなアレ

意外かもしれませんが障子の紙を変色させてしまう最も厄介な現象は、和室にある仏壇です。

お仏壇と言えば線香が付き物。

実は障子など天然素材で出来た紙類は呼吸をしています。

部屋の湿度が高ければ吸収しますし、低ければ蓄えた水分を放出してくれています。

そのため和室内の空気を吸ったり吐いたりしているうちに、お線香の煙も吸着しているのです。

そのため毎日のように焚かれた煙を吸った障子紙は黄色く変色してきます。

これはタバコでも同じことが言えます。

また、障子の枠は木製ですので気付きにくいですがこの木もヤニを吸着し、貼り替えの際に洗うと雑巾が茶色くなったり流した水が変色しているのはこのためです。

 

 

 

障子をちょっと触っただけなのに・・・、破けやすい障子紙の特徴とは?

和室で障子が破けてしまう理由の第一位は人的(ペットなど含む)な紙を押す・突く・引っかくなどの理由に由来します。

他にも虫が食べてしまったり自然に剥がれるなども極稀にありますが、このような現象よりも上記の理由が圧倒的に多いです。

しかも破いてしまった障子の紙、ほとんどの場合は前回貼り替えてから長い年月が経って劣化したものです。

これは変色の説明と同じで太陽光による経年劣化により紙が脆くなる特性が関係しています。

新しい紙は繊維の結びつきが強いためか、故意に破ろうと思わなければ簡単には破けません。

しかし古くなった障子の紙を軽く押してみてください。

簡単に穴が開いてしまいます。

太陽光の力は凄まじく紙を日々劣化させているのですね。

 

 

 

障子紙の変色を防ぎ耐久性を保つ、最も簡単な方法とは?

上記のように変色や劣化には太陽光が大きく関係しています。

簡単に言えば太陽光が直接当たりにくくすれば障子紙の劣化は抑えることができます。

しかし窓に当たる太陽光を簡単には防げませんよね。

一番良いのは雨戸があれば雨戸を閉めて太陽光を遮断します。

また、お線香やタバコの煙を少しでも防ぐのであれば、障子の前にカーテンを設置しておくのも良いでしょう。

忘れてはいけないのが煙が問題の場合、換気がとても重要になってきます。

和室を締め切っていると煙の逃げ道が無くなりますので、お線香やタバコに火を点けた際は必ず換気するようにしてください。

 

 

まとめ

和室は元来、柱などの木材や畳に使用される草、壁の土など天然素材で構成されています。

その素材たちは呼吸をし部屋の空気や湿度をコントロールしてくれているので、住民にとって健康的な環境を勝手に作ってくれているという事です。

今回は対処法としていくつかの提案をさせていただきましたが、全くメンテナンスのいらない住宅建材などありません。

劣化してきたら張り替える。

面倒かもしれませんが貼り替えた新しい障子紙の白さは別格で、部屋の印象が一気に明るくなります。

他にも最近では新素材が多く出ていますので、例えばプラスティック製の障子紙を使用して長く白さと耐久性を持続させる。

紙質でもレーヨンが混ぜてあり簡単に破けない、など。

ぜひ一度、施工店にご相談ください。

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

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