長く畳屋をやっていると時々お客様から「畳屋さん、畳から毛のようなものが生えてきたんだけど・・・」と相談される事があります。

本当に毛が生えてきたらかなりの怪奇現象ですが、多くの場合は2種類の原因が考えられます。

どちらも畳を新調したり新しく張り替えて1年以内にご相談が。

今回はその原因究明と対応策を解説していきます。

 

 

よーく目を凝らして見ると白い繊維状の毛が畳から生えているように見える

ふだん足元の畳をじっくり見ることはあまりないと思いますが、偶然寝転んで畳を見てみたらフワフワと白く細い毛が生えていたらどうします?

しかも畳を新しくして1年も経っていないのに、そんな現象起きたら畳店にクレーム言いたくなる気持ちも良く分かります。

 

ですがこの現象、実は毛布などの繊維が毛のように漂っているだけなのです。

 

特に新しい毛布を使用した時が多いのですが毛布の繊維は細かく突起していますよね。

それが畳の目に引っ掛かって抜け、畳から毛が生えたかのようになるのです。

新しい畳は踏まれて摩耗していない状態ですので摩擦が大きく、毛布などが擦れると繊維が付きやすいのです。

そのため畳から毛が生えたかのように見えてしまうんですよね。

概ね半年から1年程度、普通に使用している畳であれば摩耗して繊維が付きにくくなります。

気になって掃除機を頻繁に掛ける方もいますが、素早く動かす事により擦れて畳を傷めてしまうのでお勧めしません。

また、粘着シートを丸めて貼ってる『コロコロ』を使用すれば繊維が取れますが、こちらも畳表を傷める原因になるので辞めておいた方が良いでしょう。

対策としては新しい毛布を畳の上で直に使用しないか、毛ではないので神経質になり過ぎないといった所でしょう。

 

新しい毛布は要注意

 

 

畳からホコリのようなフワっとした毛が生えているのは要注意!

上記の繊維ではなく更に細い繊維のようなホコリのようなフワフワが畳から生えていたら注意が必要です。

その場合の特徴として、素足で歩くとベタベタする。

和室に入ると変な匂いがする。

普段あまり使っていない部屋である。(閉め切っている)

1階にある和室。

これって畳から生えたカビです。

カビは高温・高湿度・栄養の3つが揃うと生えやすい厄介な相手です。

夏場(梅雨時)に・1階や地下で・新しい畳という3要素が揃えば、天然素材の藺草(いぐさ)にはカビが生えます。

遠目では畳が変色しているように見えますが、近くで見るとホコリが積もっているようにも見え、見え方によって毛が生えているようにも見えます。

前述の毛布による繊維と違い拭き取ればすぐに無くなりますが、環境が変わらなければしばらく生え続けてしまいます。

対処法としてはまず、70%に希釈したアルコール(エタノール)を噴霧して拭き取ってください。

その後、換気やエアコンを使用して部屋の湿度を下げます。

詳しくはこちらをご覧ください↓

 

まとめ

畳から毛が生えたと思ったらまずは冷静になりましょう。

なぜなら畳から毛が生えるなんてありえませんからね。

毛布が原因であれば新しい物は使用しない。

カビが原因であればアルコール(エタノール)でしっかり対処する。

以上の事をやってもらえれば気持ちよく和室で過ごす事ができます。

定期的に掃除機を掛けるのもよい効果がありますが、くれぐれも素早く動かさず、ゆっくり丁寧に掛けてくださいね。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

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