せっかく畳を新しくして青畳を楽しんでいたら変な染みがある・・・。そんな経験したお客様からの問い合わせをよく受けます。

原因は1つとは限りませんが一番多いのは意外な理由です。

今回はその原因と稀にある別な原因を探って解説していきます。

 

 

 

新しい畳に大き目な変色があったら、その原因は湿った衣類って本当?

畳を新しくして1年もすると日に焼けて、新畳の深い緑色は淡くなっていきます。

藺草(いぐさ)は天然の植物なので更に数年すると黄色から茶色に退色していきますよね。

退色した畳表はあえて変色させようとしても目立ちませんが、新畳のうちはちょっとした変色でもかなり気になります。

過去には「お宅で畳を張り替えたら染みが浮き出て変色してる!」というご相談も。

しかしこの変色、多くの場合は湿った衣類やバスタオルなどを畳に置いたことが原因です。

 

詳しいメカニズムが分かりませんが、畳は水分を含むと退色が早くなります。

実際にあった例としては『お風呂上りに濡れたバスタオルを放置して変色してしまった』または『生乾きの衣類を和室で畳んでいて置いておいたら変色してしまった』というものです。

「そんなことで?」とおっしゃる方もいると思いますが畳は新しいうちほどデリケートです。

水分を含んだ衣類などを畳の上に直置きするのは変色の原因になりますので、お気を付けください。

 

 

他にもあった畳の変色や染み、普段の使用方法で気を付ける点やお問い合わせをする前のチェック項目とは

上記の原因による変色や染み以外にも、少ない事例ですが可能性のあるものを解説します。

 

・畳表に原因がある場合

通常、畳店では藺草栽培農家さんが製織した畳表を流通(産直)から購入し、お客様の畳床に張り付けたり新調したりします。

生産農家さんが織機で藺草を織る際に、何らかの原因で織機がストップしてしまったり途中で織るのが長い時間中断してしまうと、その部分から帯状に色が変わって見えることがあります。

具体的に言うと畳の幅方向へ20~30cmの幅で均一に変色している状態です。

藺草は刈取り直後に泥染めといって土を溶かした水に浸けて乾燥し、その後に製織されるため畳表の表面には『染土(せんど)』という土が付着しています。

最終的に拭き上げてから納品する畳店が多いのですが、そのまま納品してお客様が雑巾で染土を拭き上げたら畳表が帯状に変色していた。

これは極稀ですがありえるパターンです。

 

・生活習慣や住環境に原因がある場合

新しい畳の退色というのは思っているよりも早いもので、座布団を置いていて1週間後に掃除のため移動したら日焼けしなかった部分の跡が出るという事もあります。

また、寝室としてお使いの場合は布団を敷いたままにしていると、湿度を保ってしまい布団の形で変色という事も。

開いた窓から雨が吹き込みほんの少しだけ濡れたというだけでも、その箇所は新しい畳だと変色します。

お盆の時期に先祖をお迎えするにあたり、お供物として用意したスイカやメロンなどの果物を畳に直置きしてシミになるケースは全国的に毎年あります。

ペットのオシッコは勿論、コップの水をこぼしてすぐに拭き取らなかった場合でも染みは顕著に出ます。

 

 

畳が部分的に退色(変色)して染みが出てしまった時の対処法

結論から言いますと新畳の色が部分的に変わってしまった場合は、すぐに元に戻す事はできません。

慌てて洗剤で拭いたり乾燥させる方もいますが、まず効果は無いでしょう。

一番は予防をすることで、それがかなわない場合は出てしまった染みを下手にいじるのではなく、日光に当てて日焼けするまで待つしかありません。

日焼けはすればするほど染みが目立たなくなりますので『気になってもじっくりと待つ』それしかありません。

 

とは言えペットがオシッコしてしまったり、水をこぼしたりしてしまった場合はすぐに拭いて乾燥させることが肝心です。

そのままにしておくと染みだけではなくカビが生える原因にもなります。

風を当てるなどして素早くしっかりと乾かしてください。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業