最近よくお客様から「畳が減って大変でしょう?」と言われますが、実際に減っているので大変なのですが業界的に【置き畳】だけは需要があり増えています。

ではなぜこの時代に置き畳だけは需要があるのでしょう?

今回はその【置き畳】のニーズと仕様によってどの程度製品に差があるのかを検証してみたいと思います。

 

半畳縁無し市松敷きの置き畳

 

 

畳が減ったおかげで置き畳の需要が増えた!?

一般的な畳は一段下がった枠内に採寸したオーダーメイドの製品を敷き込みます。

建築の西洋化や高気密化により畳の特徴でもある吸湿性が【ダニ・カビ】の原因になる事が多く、張り替えなどのメンテナンスも含めユーザー離れが加速しているのは事実でしょう。

実際には「畳は古臭い」や「フローリングの方がお洒落」という外見からの不人気が突出しているようです。

 

そんな中でも売れ続けている【置き畳】の良さとは、まず『畳が無くなって初めて分かった畳の良さ』に気付いた人にニーズがあるように感じます。

例えば靴を脱いで家に入る文化の日本では床でくつろぐのは当たり前ですよね。

しかしフローリングは硬くて冷たくてくつろげない。

更にベッドではなく布団を敷いて寝たいという方はフローリングの硬さや冷たさは身を持って知っているでしょう。

洗濯物を机の上で畳む方より床で畳む方が圧倒的に多いように、日本では床面をくつろぎや作業スペースとして利用するのに『フローリング』よりも『畳』となっているようです。

 

ここに布団を敷いて寝るのは辛い

 

 

置き畳の製造販売が圧倒的に安価な中国産である理由と、畳屋が作る置き畳がSDGsな理由とは?

あなたがもし『置き畳』を購入しようと思った時、まず最初にする行動は【ネットで調べる】ことでしょう。

ネットで検索をすると選ぶのが難しくなるほど置き畳に関する大量の情報が流れてきます。

価格もお手頃で「これなら購入しても良いかな?」と思うはずですが、製品のどこがどう違うのか?という点で迷い、何を基準に購入して良いか分からないと思います。

ホームセンターなら手に取って品質を調べることもできますし、すぐに購入して利用することができますよね。

でもちょっと待ってください。

その置き畳、本当に買って大丈夫ですか?

 

一般的にネットやホームセンターで販売されている置き畳は中国産で安価ですが、表面になる畳表(ゴザ)は粗悪で畳床(芯材部分)に糊で圧着してあることがほとんどです。

「とりあえず置き畳が欲しい!」というのであればお勧めしますが、大きさが大きさだけにいらなくなった場合に処分も結構大変ですよね。

そもそも圧着してあると畳表を張り替えることが出来ませんので傷んできたら【使い捨て】になってしまします。

では畳屋の作る置き畳はどうかと言うと、傷んだら何度でも張り替えが出来るという点が大きな特徴になります。

SDGsが当たり前になりつつある現代で、畳屋が作る置き畳はとてもエコですよね。

また、既製品と違いオーダーメイドで製作も可能ですから、部屋に敷き詰めて利用できる点も優れています。

 

逢着施工なので何度でも張り替え可能

 

 

畳屋(当店)が作る置き畳は見えない所に工夫がある!その仕様を初公開します

・畳のクッション材

ほぼ90%以上の畳店では畳の芯材にクッションを設けていません。

そのため足触りは硬く、寝転んでいてもくつろげないのでがっかりした人も多いのではないでしょうか?

当店では2mm厚のクッション材を標準装備していますので、正座しても寝転んでも適度な柔らかさがあり気持ち良くお過ごしいただけます。

 

畳表の下にある白っぽいのがクッション材

 

 

・四方コーナー加工

置き畳は床に置くため3~6cm程度の段差になります。

そのため畳の角(側面)を踏みつけるので、その部分が踏まれて潰れ丸くなってきてしまいます。

そうなってしまうと張り替え自体は出来るのですが仕上がりが非常に悪くなります。

当店では足当たりのある場所に敷く置き畳や1枚だけで利用する畳にはプラスチック製のコーナーを下地に入れ、踏んでも角が丸まらないような工夫をしています。

 

茶色のプラスチックコーナー

 

・滑り止めシート

こちらはオプションになりますが長時間敷きっぱなしでもフローリングに跡が残りにくい弱めの滑り止めシート(本体に張り付けタイプ)をご用意しています。

全く動かないようにしたい方は市販の玄関マット用滑り止めシートなどをご利用ください。(フローリングに跡が残る可能性あり)

 

裏面に貼り付けます

 

 

実際に当店の置き畳を利用するユーザー様の裏返し事例

先に述べたように当店では畳表を本体の畳床に糸で縫い付けて施工してあります。

日焼けしたり傷んできた場合は畳表を引っくり返して縁を新しく付け替え【裏返し】が可能です。

今回のお客様はフローリングの上に置き畳を敷いて布団で寝ているとの事で、最初に新調の際は京間サイズ(約1m×2m)で作らせていただきました。

日焼けしてきたので裏返しをご希望され、綺麗に仕上がりました。

これも畳のSDGsですよね。

この後は畳表が擦り切れるまで利用していただき、限界に来たら【表替え】という表面のゴザを張り替える施工に移行しますので、芯材である畳床は再利用されることになります。

 

裏返し前

 

裏返し後

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

畳店で作る置き畳はサイズ別でオーダーメイドできますし、何度でも張り替えできるのはエコで経済的です。

どうせ買うならネットやホームセンターではなく、畳店にお求めいただくと畳表の種類や縁なども選べて楽しいかもしれませんよ。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

03-3917-9827