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大きな家具の運び込みなどで『襖を取っ払って開口部を広げたい』なんてこと和室なら可能ですよね。
でもちょっと待ってください。
古いお宅の場合、襖や障子が外れないことが多々あります。
今回はそんな困った時の対処法を説明させていただきます。
引き戸タイプの襖・障子は基本的にはこの方法で外れます!
※外す前にどの位置に戻せばよいか印をしておきましょう
襖・障子(以下建具)は両手で左右をしっかり握ってから持ち上げ、下の部分を前か後ろに出してから下げる。
何も無ければたったこれだけで簡単に取り外し可能です。
ちょっとキツい?上に持ち上げても下側が外れない場合
思い切って左端か右端に襖を移動してから外してみてください。
左側がダメなら右側に持って行って外します。
どうでしょうか?
この方法で外れない場合は結構大変です。
どうしても外すのなら多少時間が掛かる事は覚悟して臨みましょう。
そもそも襖・障子がなぜ外れない?ほとんどの場合は一つの原因です
私の知る限り新しい家やマンションで襖・障子などの建具が外れないという事はありません。
古ければ古いほど外れにくい傾向にあります。
建具が外れなくなる原因の90%以上は【鴨居(かもい)】が中央から垂れ下がってきたからです。
鴨居とは建具の上側レールの事です。
鴨居
木製で溝があるので、そこを建具が左右に動いて開口部となっています。
多くの場合鴨居は自重で垂れ下がり、特に真ん中部分で湾曲して落ちます。
例えば4枚の並んだ建具であれば鴨居の長さは3m50cm程度になりますので、柱などで支えないと真ん中はどうしても重みで垂れ下がってきますよね。
そのため外す際は建具を端に移動すると外れやすい場合が多いのです。
鴨居以外の原因として【敷居(しきい)】という下側レールに対して畳が厚く、敷居より出っ張っていて建具を外す際に引っ掛かるという事があります。
この場合は左右に建具を移動しても外すのは困難です。
部屋の間仕切りの場合は洋間側から外してみましょう。
敷居
襖がどうやっても外れない!そんな時の最終手段とは
よく強引に引っ張りだして襖の下桟を外すやり方をする人がいますが、当たり前のように壊れますし障子や戸襖では絶対に外れないので無理するのは止めましょう。
最終手段として【ジャッキ】を使用します。
鴨居ジャッキ
我々本業は鴨居ジャッキという専用のジャッキがあるので、簡単に鴨居を持ち上げて建具を外す事ができますが、工夫すれば車用のジャッキでも代用可能です。
ジャッキの高さを抜いた程度の、外したい建具の高さくらいある鉄パイプが必要です。
木材でも出来なくはないのですが、相当しっかりした木でないと圧力で裂けたり割れたりして危険です。
また鉄パイプ直だと鴨居は木材で傷むので、当て木や古本などで養生はしましょう。
でも正直な話、そんなに都合よく丁度良い長さの鉄パイプなんてありませんよね?
近所に表具店や襖を取り扱う畳店があれば相談してみましょう。
今後も自分で取り外しするのであれば上桟に鉋(かんな)をかけてもらう事も必要です。
勿論有料ですが、自分でやる手間を考えたら安いもんだと思います。
外した襖の戻す位置が分からなくなったらこちらを参照してください↓
東京都北区で四代110余年
有限会社 八巻畳工業
03-3917-9827