これまでの記事では、和室で発生する害虫の種類や防虫と駆除の考え方について解説してきました。
今回は少し趣向を変えて、畳屋の現場で実際によく見かける虫をランキング形式で紹介してみたいと思います。
私たち畳屋は畳を剥がして床を見る機会が多く、普段の生活では見えない場所の状態を日常的に確認しています。
そのため一般の方よりも室内の害虫を見る機会が圧倒的に多い職業です。
この記事では、私が実際に現場で見てきた経験をもとに、和室で見かける虫をランキングにして紹介します。
なお、肉眼では見えない虫も多く存在するため、必ずしも目に見える数だけのランキングではない点をご理解ください。

競うい合う虫たち
目次
1 畳が原因!?和室と虫の関係
2 害虫が出やすい家と出にくい家
3 防虫と駆除の違い
4 和室で発生する虫の種類と特長
5 グループ別の防虫・駆除方法
6 何よりもまず予防、室内環境を整える
7 畳屋だからできる防虫と駆除
8 最後に
番外編 畳屋が現場でよく見る虫ランキング
まず最初にお伝えしておきたいのは、家の中には必ず虫がいるということです。
普段は見えないだけで、ほとんどの家で虫は生活しています。
その中でも畳屋が現場でよく見かける虫にはある程度の傾向があります。
今回はその中でも特に印象に残る虫をランキング形式で紹介します。
第1位 ヒメカツオブシムシ
畳屋の現場で最もよく見かける虫がヒメカツオブシムシの幼虫です。
実際には約半数のご家庭で、畳をめくると幼虫の抜け殻が見つかります。
畳と畳の隙間から落ちたホコリが床の上に固まり、そこに幼虫の抜け殻が列のように並んでいることも珍しくありません。
このホコリの塊はダニの温床にもなりやすく、畳の下では非常に多く見かける光景です。
ヒメカツオブシムシは衣類害虫として有名ですが、畳の下のホコリや動物性の繊維なども餌になります。
畳替えの際にはかなりの確率で見つかる虫と言っても良いでしょう。
第2位 ヤマトシミ
ヤマトシミも畳の下でよく見かける虫です。
体は細長く銀色の鱗粉に覆われており、素早く動くのが特徴です。
古い和紙や紙類、ホコリなどを食べる虫で、押し入れや家具の裏など暗い場所に潜んでいます。
畳を上げた際に床板の上を走っているのを見つけることがあります。
紙を食べる虫として知られていますが、畳の下でもよく見つかる虫の一つです。
第3位 シロアリ
シロアリは畳屋としても非常に警戒する虫です。
畳を踏んだ瞬間に大きく沈むような感覚がある場合、床板がシロアリに食われていることがあります。
畳替えの採寸に伺った際にこの症状があり、畳を上げてみると床板が空洞になっていたというケースもあります。
また、お客様から「畳表が溶けたように腐っている」「畳表が部分的に無くなっている」と相談されることがあります。
このような場合、畳の上に段ボールが置かれていて、その下の畳表と段ボールの底がシロアリに食われていたという事例もあります。
住宅に被害を与える虫なので、見つかった場合は注意が必要です。
第4位 ゴキブリ
ゴキブリは畳の下よりも、畳を上げた際の床下の隙間などで見つかることがあります。
特に畳寄せの下など床下でつながっている部分に卵が見つかることがあります。
畳を上げているタイミングで殺虫剤を散布しておくと、忌避効果を期待できる場合があります。
なお市販の燻煙剤などは畳の下までは浸透しないため、畳を上げている状態で使用した方が効果的です。
第5位 シバンムシ
シバンムシは小さな甲虫で、乾燥した食品などから発生することがあります。
畳の下というよりも、畳の上や室内で見つかることが多い虫です。
食品や乾物などが発生源になっていることもあります。
第6位 チャタテムシ
チャタテムシは体長1〜2mmほどの非常に小さな虫です。
湿度の高い場所でカビを餌にして増えます。
畳にカビが生えた場合、そのカビを餌にして増えることがあります。
直接人に害を与える虫ではありませんが、大量発生すると不快感があります。
第7位 トコジラミ
近年特に増えていると感じる虫がトコジラミです。
インバウンドの影響で海外から持ち込まれるケースが増えていると言われています。
トコジラミは吸血性の害虫で、夜間に人を刺します。
駆除が難しい虫として知られているため、発生した場合は専門業者への相談が必要になることもあります。
見えない1位 ダニ
実はランキングに入れるべきか迷った虫があります。
それがダニです。
ダニは非常に小さいため肉眼ではほとんど見えません。
しかし畳の隙間から落ちたホコリの塊は、間違いなくダニの温床になっています。
そのため見えないだけで、実際にはダニが最も多い可能性もあります。
畳屋あるある
畳屋として現場でよくある話があります。
畳替えの際に畳をめくると、ヒメカツオブシムシの幼虫の抜け殻が列のように並んでいることがあります。
またダニに刺されたと相談されるお客様の中には、原因がネズミ由来のイエダニである場合もあります。
ネズミの糞が見つかる場合はこの可能性があります。
その他には庭木の手入れの際に毛虫に刺されているケースや、実際には刺されていないのにダニだと思い込んでしまうケースもあります。
虫は畳が原因ではない
ここまでランキング形式で虫を紹介しましたが、虫がいるからといって必ずしも畳が原因とは限りません。
多くの場合は湿気やホコリなどの住環境が原因です。
つまり虫を減らすためには、住環境を整えることが最も重要になります。

