これまでの記事では、虫が発生する環境と防虫・駆除の違いについて説明しました。
今回は、実際に和室でよく見かける害虫の種類について解説します。
普段見かけない虫でも、家の中の見えない場所で生活していることがあります。
虫の種類によって餌や生態は違いますが、発生する場所にはある程度の共通点があります。
そのため、虫の特徴を知っておくことは防虫対策にも役立ちます。
ここでは和室で比較的よく見かける害虫をいくつかのグループに分けて紹介します。

※このページでは写真ではありませんが、非常にリアルな虫の画像を使用しております!


目次

1 畳が原因!?和室と虫の関係
2 害虫が出やすい家と出にくい家
3 防虫と駆除の違い
4 和室で発生する虫の種類と特長
5 グループ別の防虫・駆除方法
6 何よりもまず予防、室内環境を整える
7 畳屋だからできる防虫と駆除
8 最後に


4 和室で発生する虫の種類と特長

和室で見かける虫にはいくつかの種類があります。
畳の上で見つかることもありますが、実際には畳の下や押し入れなどの暗い場所に潜んでいることが多いです。
ここでは発生しやすい虫をグループごとに紹介します。


グループA ダニ

家の中で最も多く存在している虫がダニです。
ダニは非常に小さく肉眼ではほとんど見えません。
そのため気が付いた時にはすでに大量に発生していることがあります。

ヒョウヒダニ(チリダニ)は人を刺すことはありませんが、糞や死骸がアレルギーの原因になります。
ヒョウヒダニは高温多湿の環境を好み、湿度が高い部屋では急激に増えることがあります。
餌は人のフケや皮脂、ホコリなどです。

コナダニは梅雨時期や秋口に増殖しやすいダニです。
人を刺すことはありませんが、大量に発生すると見えるほど増えることがあります。
乾物や食品などから発生する場合もあります。

ツメダニは他のダニを捕食するダニです。
普段はヒョウヒダニやチャタテムシなどを食べています。
しかし稀に人を刺してしまうことがあります。

イエダニはネズミなどに寄生するダニです。
ネズミが巣を作っている家では発生することがあります。
ネズミが死んだ場合などに人を吸血することがあります。

ヒョウダニ イメージ画

グループB ヤマトシミ・ヒメカツオブシムシ・シバンムシ


・ヤマトシミ

ヤマトシミは紙を食べる虫として知られています。
体長は8〜9mm程度で細長い体をしています。
羽はなく、銀色の鱗粉に覆われた独特の姿をしています。

古い書籍や障子紙などを食害することがあります。
暗い場所を好み、押し入れやタンスの中などで見つかることがあります。

ヤマトシミは比較的長寿の昆虫で数年間生きることがあります。
絶食状態でも長く生きることができるため、完全に駆除するのが難しい虫でもあります。

夜行性の虫で昼間は隙間に隠れて生活しています。

ヤマトシミイメージ画


・ヒメカツオブシムシ

ヒメカツオブシムシは衣類を食べる害虫として知られています。
幼虫は毛の多いイモムシのような姿をしています。

乾燥した環境でも生きることができるため、住宅の中でも比較的よく見つかります。
特に動物性繊維の衣類を食べる習性があります。

ウールやシルクなどの衣類に穴が開いている場合、この虫の幼虫が原因であることが多いです。

畳の下でもよく見かける虫の一つです。

ヒメカツオブシムシの幼虫イメージ画


・グループB シバンムシ

シバンムシは小さな甲虫で乾燥した食品などから発生することがあります。
穀物や乾麺、香辛料などの食品を食べます。

古い和紙や畳表などを食害することもあります。

畳表に小さな丸い穴が開いている場合、この虫が原因の可能性があります。

シバンムシ自体は人を刺すことはありません。
しかしシバンムシが大量発生すると、シバンムシアリガタバチという虫が発生することがあります。
この虫は人を刺すため注意が必要です。

シバンムシのイメージ画


グループB チャタテムシ

チャタテムシは体長1〜2mmほどの非常に小さな虫です。
淡い黄色や茶色をしており、湿度の高い場所で見つかることがあります。

カビを餌にしているため、湿気の多い場所で発生しやすいです。

畳にカビが生えると、そのカビを餌にして増えることがあります。

直接人に害を与える虫ではありませんが、大量発生すると不快感があります。

またチャタテムシを餌とするツメダニが発生する原因になることがあります。

チャタテムシのイメージ画

グループC シロアリ・トコジラミ・ゴキブリ


グループC シロアリ

シロアリは木材を食べる害虫として知られています。
住宅の床下など湿気の多い場所で発生することがあります。

家屋の構造材を食害するため、住宅にとって非常に危険な虫です。

畳がブカブカする、床が沈むなどの症状がある場合はシロアリ被害の可能性があります。

床の隙間などから砂のようなものが見える場合も注意が必要です。

シロアリのイメージ画


グループC トコジラミ

トコジラミは近年増加している吸血性の害虫です。
別名南京虫とも呼ばれています。

衣類やカバンに付着して家庭に持ち込まれることが多い虫です。

夜間に人を刺して吸血します。
刺された場所は強いかゆみや腫れを引き起こします。

トコジラミは非常に駆除が難しい害虫として知られています。

トコジラミのイメージ画


グループC ゴキブリ

ゴキブリは高温多湿の場所を好む害虫です。
夜行性で昼間は家具の裏や隙間などに隠れています。

食品を汚染したり雑菌を媒介することがあります。

家庭で問題になることが多いのはチャバネゴキブリです。
チャバネゴキブリは繁殖力が強く、室内でも増えやすい種類です。

暖かい場所では冬でも生き残ることがあります。

チャバネゴキブリのイメージ画


次回の記事では
これらの虫に対する具体的な防虫・駆除方法について解説します。
虫の種類によって対処方法は大きく変わるため、それぞれに合った対策を知ることが重要です。