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普段目にする機会の少ない畳の下側ですが畳を引き上げると「あれ?初めて見たけど、うちの床板こんなになってるの!?」と驚く方が多いと思います。
建築様式によって様々な床材が使用されていますので、シリーズでその構造と掃除の仕方、出やすい害虫や通気性について解説していきます。
シリーズ4回目の今回はモルタルを使用している床についてです。
え?畳の下がコンクリ!?と驚かれるお客様も多いですが、最近では集合住宅であるマンションの床は概ねこの施工です。
畳を剥がしてビックリ!
畳の下に敷かれている床材【モルタル・コンクリート】とはどんな素材でできているのか?
畳を剥がして初めて知った!という方がほとんどですが、多くの方は「畳の下がコンクリートだったのか!」と驚きます。
しかし厳密に言うと【モルタル】と言って、コンクリートに比べ塗り広げやすい素材が使用されています。
コンクリートもモルタルも元はセメントですから同じようなものと言えば同じようなものです。
以降は分かりやすく【モルタル】と表現していきますね。
【モルタル】で出来た畳の下の床構造と素材による特徴とは
畳を剥がして床材がモルタル仕上げだった場合には必ずと言ってよいほど【防湿シート】が上に敷いてあります。
基本的にモルタルは湿気を溜め込みやすいため、その上に直接畳を敷くと低層階では蒸れてカビが発生しやすくなります。
畳の下というのは元々湿気が溜まりやすいのでモルタルが湿気を吸水してしまわないために敷いてあるのでしょう。
そのためこのような床材の和室には畳本体の底面素材に発泡スチロールが使用され、更に底面にはビニールが貼り付けてあります。
他にもこのシートは2㎜程度の厚みがあり弾力性がありますので、歩いた時の衝撃緩和と階下への防音も兼ねていると考えられます。
畳を剥がしてモルタルの上に畳を直置きしてあった場合には、シートをホームセンターなどで購入することも可能ですから敷いておいた方が良いかもしれません。
まあ、どちらにしても板張りや発泡スチロールの床材に比べれば硬く、歩いた時の踏み心地はあまり良くありません。
防湿のシート
畳の下がモルタルだった場合のメンテナンスと掃除方法とは
基本的に畳替えの際にしか床下は掃除しないと思います。
約30年畳屋をやっている私の経験則から言わせてもらうと、モルタル仕上げの床下構造は高層建築の集合住宅に多く、1階以上は乾燥しているのでモルタルの湿気はそれほど気にしなくても良いように思います。
モルタル自体は表面が滑らかで掃除機を掛けやすいため、大きなゴミはホウキで掃き掃除し、その後に掃除機を掛けるという手順で良いでしょう。
コンクリート仕上げのような小石がザラザラした仕上げの場合は掃除機をゆっくりと掛け、凹凸に溜まったホコリを見逃さないように掃除してください。
モルタルは水拭きしてしまうと水分を吸収するため辞めた方が良いでしょう。
このようなモルタル仕上げの床は乾燥していても出やすい虫がよくいます。
【ヒメカツオブシムシ】という動物性の繊維を餌とする幼虫が多く、畳を剥がすとその幼虫の抜け殻がたくさんあります。
ウールや絹製品の衣類を補完する際は防虫剤を収納に入れておくと防ぐことができます。
畳やその下に発生する害虫については気になるところ。
詳しくは下記のリンクをご参照ください。