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今年もまたジメジメとした梅雨がやってきます。
なんとなく「湿度が高いな」と思ったその時には、実はすでにカビの胞子が大量に増えていたりするのをご存じでしょうか?
カビの胞子はいつでもどこにでも舞っていますが湿度が高くなると一気にカビへと成長し、また胞子を大量に放出しますので秋口くらいまでは油断大敵!
今回は畳にカビが生えてしまった場合の対処法と、未然に防ぐ予防などを解説していきます。
畳にカビが生えてしまう理由と生えやすい環境とは?
まず初めにカビの事をよく知っておくと、いざ生えてしまった時の対処方法もスムーズに進みます。
今現在、畳にカビが生えていて慌てている方も落ち着いて読んでいただく事を推奨いたします。
カビは【高湿度】【高温】【栄養】と3つの条件が揃った時に発生します。
気密性の高い部屋で梅雨時に掃除を怠ると生えやすい原因を作ってしまうという訳です。
とは言え掃除が行き届いていてもカビは発生してしまう条件があります。
それは畳に元からある【栄養】が原因なので詳しく説明させてください。
よくある問い合わせで「畳を新しくしたらカビが生えたのは施工店が悪い?」というものです。
畳は天然素材である藺草(いぐさ)という植物を編み込んで畳表(ゴザ)にし、表面を覆っています。
この藺草には栄養分がありますので畳を新しくした1年目の梅雨時が一番カビのリスクが高い理由です。
数年経過した畳表からは栄養分が抜け、茶色くなったころには余程悪い環境でなければカビが増殖するようなことはないのです。
そのため新しくした畳に風通しの悪い環境というのは非常に注意が必要です。
畳にカビが生えているかどうかの判断は目視と素足、気になる人体に与える影響とは?
基本的に畳に生えるカビは人体に悪影響を与える物ではありません。
カビやその胞子はどこにでも舞っていますので、吸い込んだからと言って急激に具合が悪くなるような事はありませんので、まずはご安心ください。
畳に生えているモヤモヤを【カビ】と断定するには和室を素足で歩いてみてください。
普段ならサラッとした足触りがなんだか「ペトペト」しませんか?
そしてよく見ると【白い】ホコリのような綿のようなものが畳を覆っている。
これはカビです。
更に放置すると白から黄色に変わって色がどんどん濃くなります。
発見したら速やかに下記の方法で取り除いてください。
畳に生えてしまったカビを除去するにはアルコールで拭き取る!
まず初めに窓を開けて部屋を換気しながら作業をします。
薬局などで売っている【アルコール(エタノール)100%】を水3:アルコール7の分量で希釈してスプレーボトルに入れます。
アルコール70%の物が売っていればそのまま使えます。
100%でも50%でも効果が落ちますので、必ず70%を守ってください。
そしてカビの生えた畳に噴霧してから雑巾で拭き取ります。
慌てて掃除機で吸い取る方がいますが、これはカビの胞子を撒き散らす事になりますのでお辞めください。
畳の目に沿って拭き上げましたら畳を乾燥させるために換気します。
扇風機があればしばらく首振りで回し、無ければ2箇所以上の開口部を開け放って風が入るようにしてください。
この時に出来ればエアコンは使用しません。
胞子が舞っている状況でエアコンを使用するとフィルターにカビの胞子が付着してしまいます。
半日程度換気してからエアコンは除湿目的でご使用ください。
カビが生えたのが畳で良かった?カビが生えるのは食中毒予防のお知らせという見方もあります
前述のように畳にカビが生えるのは、その部屋の環境が高気密である事が原因です。
「ちょっと前まで涼しかったから・・・」と、食料をテーブルの上に放置していませんか?
カレーも温め直せば食べられると、冷蔵庫に入れずに鍋のまま置いておくと人体に凄く有毒な菌が増殖し、熱では殺菌できないそうです。
【畳にカビが生えた!】という事は【食中毒になりやすい環境】であるとお考えください。
たった3つだけ!今からできるカビ予防
① 1番大事なことは日中に【部屋を閉め切らない】という事です。
畳は1枚でコップ1杯以上の水分を蓄えます。
この蓄えた水分が飽和する事でカビが発生しますので、和室の入り口にある扉(ドア)などの建具は、この時季だけでも開けておくことをお勧めします。
② 続いて【晴れた日の換気】はとても重要です。
日中お仕事などで家を空けるご家庭では難しいのですが、晴れた日に窓を開けて換気をしているだけでカビの発生を未然に防ぐ事ができます。
日中、窓を開けられない場合や明らかに雨降りの日はタイマーを使用したエアコン除湿がお勧めです。
除湿器があれば一番良いのですが、エアコンの除湿でも効果があります。
③ 面倒でもこの時季だけは【こまめなお掃除】を心掛けてください。
カビの栄養分になるホコリなどを掃除機によって除去します。
コツは畳の目に沿ってゆっくりと掛けること。
ゆっくり動かす事により、畳の下にある淀んだ空気が流れてカビの発生を制御できます。
上記3つを試してカビの生えない快適な和室空間をお楽しみください。
東京都北区で四代110余年
有限会社 八巻畳工業