度々こちらのブログで説明させていただいている『ダニ』などの主に畳の下に住み着く虫への対処法ですが、今回は【畳の下敷き用防虫紙】についてです。

畳替えの際にしか施工できませんから、お忘れにならないようにしてくださいね。

 

1 畳の下に潜む虫

「畳の下なんて見たことが無い」という人がほとんどだと思います。

しかし見えない所に潜んでいるのが虫なんです。

※虫の特定をしたい方は以下の名前で検索してください

 

・ダニ

まず目に見えないサイズの虫はダニ。

各ご家庭、どこにでもいますし一番多いのは枕や布団です。

畳と畳の隙間があるとホコリなどの有機物が溜まり、そこがダニの餌場となります。

普通のダニはハウスダストの原因になり、その捕食者であるツメダニが発生すると人間も嚙まれます。

対処法は後ほど。

 

・シミ

ヤマトシミなど銀色の足が多く素早く走り回る虫。

主に古紙などを食しているので人体を刺したり噛んだりはしませんが、畳の隙間から出てきて古くなった障子紙を齧ったりします。

畳の下だけではなくフローリングの下などにもいますが、畳と畳の隙間から出てくることが多い虫です。

 

ヤマトシミ

 

・ヒメカツオブシムシ

畳を剥がすと最も多いパターンで出てくるのはこの虫です。

経験上50%以上のご家庭でこの虫は発生しています。

発見時は全て縞模様の茶色い幼虫で、成虫は黒く丸い形をした昆虫らしいのですが見たことはありません。

主にウールやカシミヤなどでできた衣類を食い荒らす虫ですので、噛んだり刺したりはしません。

湿度の低い環境の部屋でも発生するため、畳を剥がしたら抜け殻だらけという事も多々あります。

 

 

2 対処法

上記の虫たちは【畳の下敷き用防虫紙】でほぼ発生を防ぐことができます。

しかし日頃からいくつかの点に気を付けるだけで劇的に減らすことも可能ですので、防虫紙以外の対処方法を説明させていただきます。

 

・換気

多くの虫は湿気の強い環境を好みます。

畳の下は空気が流れにくいため、虫の住処になりやすい傾向にあります。

晴れた日の換気やエアコン・除湿器による除湿は基礎の基礎と言えるでしょう。

 

・掃除

これは畳の下にいる虫だけではなく、畳に住み着いたり畳の上の虫にも効果があります。

虫の餌となる人間の皮脂(フケなど)をこまめに掃除し、ホコリが無い環境にするだけで一般的な虫はほとんど住めなくなります。

ダニは布団と枕やぬいぐるみに多く住み着く虫で畳から発生する訳ではありませんが、潜り込まれないように布団などもよく掃除してください。

基本的には布団も畳も掃除機をゆっくり丁寧にかけると、餌となる皮脂だけではなくダニの死骸なども吸引しますので効果的です。

畳は掃除機をゆっくりと動かすことにより畳の下のホコリや空気を吸い上げます。

早く動かしても畳が傷むだけなので止めましょう。

 

・防虫剤

ヒメカツオブシムシは動物の毛を食べるので箪笥やクローゼット、押入れに防虫剤を入れておくことが効果的です。

成虫になると外へ飛んで行き、また違う家庭に住み着くことから外から虫を入れない工夫というのも大事だと思います。

因みに畳に刺して薬剤を浸透させるような殺虫剤がありますが、現在では畳の素材も『稲わら』だけではなく発泡スチロールが入った畳もありますのでお勧めしません。

 

最近の畳床

 

殺虫剤自体が完全に安全な物ではありませんので、予防段階で防げるのならそれに越したことはないでしょう。

 

・低温環境

意外と見過ごされがちな要因として虫の活動には気温が多く関係しています。

越冬する虫もいますがほとんどの場合、虫は低温に弱く死滅します。

私の経験上、隙間風が通るような昔の日本建築の方が虫の発生は少なく、マンションなどの高気密な住宅では冬でも暖かいため虫が多く見受けられます。

対処法として上記で述べたように冬場の換気は効果的だと思いますが、昨今の住宅事情では働く家庭で窓を開け放って留守にする訳にもいかず、逆に高齢者など一日中部屋にいて暖房している場合などは防ぎようがありません。

そのような環境では防虫紙に頼る方法が一番効果的です。

 

 

3 畳用防虫紙

今回は畳の下敷き用防虫紙について。

【中敷き用】は効果のある虫や環境が少し違うため、次回にします。

 

畳屋さんが扱っている防虫紙は数種類あり、多くが防虫効果1年程度の物です。

中には薬剤の種類によって気管支が弱い方やシックハウス症候群の方に影響が出てしまう防虫紙もあります。

一昔前まで使用されていた『ナフタリン』や『スミチオン』が現在ほとんど使用されていないのは、人体に少なからず影響があるためだと考察されます。

また、過去には畳の下に新聞紙を敷いていたため未だに「新聞紙を敷かなくて良いのか?」とよく聞かれることがありますが、現在の新聞紙に防虫効果はありませんので虫の餌になるだけです。

 

当店で使用する防虫紙は【ホウ酸】を染み込ませてあります。

ホウ酸はゴキブリ団子で有名ですが、目を洗ったり人体に直接触れても影響がほとんど無い上に気化しないので畳の下にある以上、最も安全な薬品と言えます。

万が一食べてしまっても食塩と同程度の害しかありませんから、赤ちゃんからペットまで虫以外の生物には安心してお使いいただけます。

そして気化しない性質のため効果は半永久的に持続します。

ホウ酸独自の持つ防カビ効果もあり、現在虫がしなくても予防を含めお勧めいたします。

 

 

防虫紙を敷いている

 

防虫紙の価格などはこちら

防虫・防湿紙

価格・ 防虫紙中敷き用、防虫・防カビ紙下敷き用、防虫・防湿紙下敷き用 ■一畳2,200円~33,00円(税込) ダニや床下からの湿気に悩んでいる方にお勧めです。 畳と床板の間…

 

 

上記のほかにも『トコジラミ』や『チャタテムシ』など畳の下に潜む虫は数多くいます。

トコジラミに関してはプロの駆除業者でも撲滅が難しく、発生したら大変なことになるので防虫紙では防げません。

まずは虫を持ち込まない努力と、日頃の換気・掃除が予防では一番効果があります。

『トコジラミ』は自分なりにまとめた駆除方法をアップしたいと思います。

どこまで効果があるか分かりませんが、困っている方の一助になれば幸いです。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社 八巻畳工業