グループ別の防虫・駆除方法
番外編を除き今回で5回目となる【和室で見かける害虫と、予防・駆除方法】ですが、以前に防虫と駆除の違いを解説させていただきました。
『防虫』は『予防』にもなりますので、その5では効果的な予防と、出てしまった虫に対する駆除方法を、グループ別で解説していきます。
目次
1 畳が原因!?和室と虫の関係
2 害虫が出やすい家と出にくい家
3 防虫と駆除の違い
4 和室で発生する虫の種類と特長
5 グループ別の防虫・駆除方法
6 何よりもまず予防、室内環境を整える
7 畳屋だからできる防虫と駆除
8 最後に
1 和室に出る虫は3つのグループに分かれる
これまでの記事では、和室で虫が発生する理由や畳と虫の関係について説明してきました。
しかし実際の現場では、和室に出る虫は突如発生しているわけではありません。
畳屋として多くの現場を見てきた経験から言うと、和室に出る虫は大きく分けて3つのグループに分類することができます。
このグループを理解すると「なぜこの虫が出るのか」や「どう対処すればよいのか」が、非常に分かりやすくなります。
また、原因を間違えると対策も全く意味のないものになってしまうため、まずは虫の種類ではなく虫のグループを理解することが重要です。
和室に出る虫は次の3つに分けられます。
Aグループ:皮脂や同族・その死骸を餌にする虫
Bグループ:湿気によるカビ・古紙・動物性繊維・乾物を好む虫
Cグループ:屋外や他の場所から侵入する虫
この3つのグループは性質が全く違います。
そのため、防虫や駆除の方法もそれぞれ異なります。
例えば掃除をしても虫が減らない場合があります。
これは虫が掃除不足で発生しているのではなく、湿気や床下環境が原因の場合があるからです。
逆に湿気対策をしても改善しない場合は、ホコリやその他の餌が原因のこともあります。
つまり虫の対策は、虫の種類よりも原因を見極めることが大切なのです。

2 Aグループ(ダニ系の虫)の防虫・駆除方法
Aグループは畳の生活環境と非常に関係が深い虫です。
主にホコリやダニ、皮脂などを餌にする虫です。
代表的な虫は次のような種類です。
ヒョウヒダニ
コナダニ
ツメダニ
ダニは非常に小さいため肉眼では見えません。
しかし実際にはこのグループが最も多く存在している可能性があります。
つまり見えていないだけで、家に最も多くいる虫と言えるかもしれません。
ダニが増える原因は主に次の3つです。
高温
湿気
餌(皮脂や食べカスなど)
特に畳と畳の隙間にはホコリが落ちやすく、長年掃除をしていても畳を剥がさないと、完全に取りきれないことがあります。
このホコリが溜まり続けることで、ダニの温床になることがあります。
防虫対策として有効なのは次の方法です。
・定期的な掃除機掛け
・湿度管理
・防虫紙
また畳替えをする際には、畳の下の掃除を行うことも非常に重要です。
畳の下は長年掃除されていないことが多く、大量のホコリが溜まっていることがあります。
このホコリがダニの餌になるため、畳替えの際には床の掃除を行うことでダニ対策にもなります。
何よりも効果的なのは【防虫紙】です。
『畳を包むタイプ』と『畳の下に敷く』タイプがあります。
ホウ酸系の防虫紙であれば揮発しませんので、人体に影響が無い上に、効果は半永久的に持続します。
ちなみに当店では畳を引き上げる際に、無料で床の掃除機がけを行っております。
お気軽にご相談ください。

畳を包む防虫紙

下敷き用防虫紙
3 Bグループ(湿気を好む虫)の防虫・駆除方法
Bグループは湿気を好む虫です。
暗くて湿度の高い場所に発生しやすい特徴があります。
代表的な虫は次の通りです。
・ヒメカツオブシムシ
・ヤマトシミ
・チャタテムシ
・シバンムシ
これらの虫は動物性繊維、古紙やカビや乾物などを餌にしています。
そのため湿度が高い部屋や換気が悪い場所で発生しやすくなります。
特に多い場所は次のような場所です。
・押入れやクローゼット
・床下や畳の下
・布団の下
・乾物のある引き出し
床下はもちろん、畳の下は空気が動きにくいため、湿気が溜まりやすい場所です。
長年畳を動かしていない部屋では、このグループの虫が見つかることがあります。
防虫対策として重要なのは湿気対策です。
・掃除
・除湿
・畳の定期的な移動
また家具を長年同じ場所に置いている場合は、家具の裏側にも湿気が溜まりやすくなります。
そのため家具の配置を時々変えることも有効です。

キッチンの下側に乾物はNG
4 Cグループ(外から侵入する虫)の防虫・駆除方法
Cグループは和室で発生する虫というよりも、外から侵入してくる虫です。
代表的な虫は次の通りです。
・ゴキブリ
・トコジラミ
・シロアリ
これらの虫は畳が原因というよりも、建物や生活環境が関係しています。
ゴキブリはキッチンやエアコン、排水周りから侵入してくることが多い虫です。
トコジラミは近年特に増えており、旅行や宿泊施設などから持ち帰ってしまうケースが増えています。
シロアリは床下や建物の構造に関係する虫で、畳をめくった時に初めて気付くことも少なくありません。
このグループの対策は、侵入経路を防ぐことです。
隙間対策
床下環境の改善
専門業者による駆除
特にシロアリは建物の構造にも関係するため、早めの対応が重要になります。

シロアリに喰われた床板
5 虫対策で一番重要なのは原因を間違えないこと
虫対策でよくある間違いは、原因を特定せずに殺虫剤だけ使うことです。
しかし虫は原因が無くならない限り、また発生します。
湿気が原因なのに掃除だけしても意味はありません。
ホコリが原因なのに除湿だけしても改善しません。
外から侵入している虫は、建物の環境や隙間対策が必要です。
つまり大切なのは、虫の種類ではなく虫が出る理由を知ることです。
原因を理解することで、防虫と駆除の両方の対策が正しく行えるようになります。

