前回の記事では、
「畳が原因で虫が出るわけではない」ということを解説しました。

和室で見かける害虫と、予防・駆除方法 その1

実際には虫は偶然発生するものではなく、
必ず住環境の条件が揃ったときに増えていきます。

つまり、虫の多い家と少ない家には
はっきりとした違いがあるのです。

畳を上げて床を確認する機会が多い私たち畳屋は、
その違いを現場で何度も見てきました。

今回は、虫が発生しやすい家の特徴を
3つのポイントに分けて解説していきます。

この条件を理解しておくだけで、
ご家庭の害虫を大幅に減らすことができます。


目次

1 畳が原因!?和室と虫の関係
2 害虫が出やすい家と出にくい家
3 防虫と駆除の違い
4 和室で発生する虫の種類と特長
5 グループ別の防虫・駆除方法
6 何よりもまず予防、室内環境を整える
7 畳屋だからできる防虫と駆除
8 最後に


2 害虫が出やすい家と出にくい家

前述したように、虫はどの家庭にも存在しています。

しかし実際には

「ほとんど見かけない家」
「頻繁に虫を見かける家」

という違いがあります。

ではこの差はどこから生まれるのでしょうか。

答えはとてもシンプルです。

虫が好む環境が揃っているかどうか』です。

虫が快適に暮らせる環境には
3つの条件があります。

この3つが揃うと、虫は増えやすくなります。

逆に言えば、この条件を避けることで
虫の発生を大きく減らすことができます。


① 暖かい家(部屋)

冬になると虫を見かけなくなる理由は、
気温が低くなることで虫の活動が止まるためです。

多くの虫は低温に弱く、
気温が下がると活動が鈍くなります。

ところが最近の住宅は、
昔の家とは大きく環境が変わりました。

現在の住宅は

  • 高気密住宅
  • 断熱性能の向上
  • エアコンや暖房設備

などによって、
冬でも室内が暖かく保たれる家が増えています。

昔の和風住宅では、
多少の隙間風がありました。

そのため冬は室内温度が下がり、
結果として虫の活動も抑えられていました。

しかし現代の住宅では

冬でも虫が活動できる環境が整っている

という状況になっています。

つまり、
一年中虫対策が必要な住環境になっていると言えます。

サッシにより気密性が高くなった


② 湿度の高い家(部屋)

虫が好む環境として、
最も大きな要素が 湿度 です。

多くの害虫は

暗くて湿度の高い場所

を好みます。

具体的には次のような場所です。

  • 畳の下
  • 床下
  • 地下室
  • 洗面所
  • 押し入れ
  • クローゼット
  • 布団の中

これらの場所は

  • 空気が動きにくい
  • 湿気が溜まりやすい
  • 暗い

という共通点があります。

特に和室では

  • 畳の下
  • 押し入れ
  • 布団

この3か所は湿気が溜まりやすく、
害虫が発生することがあります。

一方で、

  • 2階以上の部屋
  • 高層マンション
  • 日当たりの良い部屋

などは乾燥しているため、
虫の発生は極端に少なくなる傾向があります。

実際に畳を上げた際、
湿気の多い家では

  • 畳裏のカビ
  • 床の湿気
  • 虫の抜け殻

などが見つかることがあります。

逆に、
乾燥している家では虫がほとんど見つかりません。

それほど湿度は
害虫発生の大きな要因になります。

1階の床下は土の場合も


③ 虫の餌が豊富にある家(部屋)

虫が生活するためには
当然ですが 餌が必要です。

家庭内には、
虫の餌になるものが数多く存在します。

例えば

  • ホコリ
  • 食べかす
  • 皮脂
  • フケ
  • カビ
  • 衣類
  • 動物性繊維

などです。

人間が普通に生活しているだけで、
虫にとっては豊富な食べ物が存在しています。

特に多いのが

床下や家具の下に溜まったホコリです。

畳を上げた際、

  • 長年動かしていない家具の下
  • 床下に溜まったホコリ

から

虫の抜け殻が大量に見つかることも珍しくありません。

虫にとっては
ほんの少しのホコリでも
十分な餌になります。

つまり

  • 温度
  • 湿度

この3つが揃うと、
虫にとっては 理想的な環境になってしまうのです。


実はほんの少しの違いで虫は減る

ここまで読んでいただくと分かる通り、
虫の発生は決して偶然ではありません。

多くの場合、

  • 湿気が溜まりやすい
  • 掃除が行き届いていない
  • 風通しが悪い

など、
ほんの少しの環境の違いによって
虫の数は大きく変わります。

逆に言えば

  • 湿度を下げる
  • 掃除をする
  • 換気をする

といった基本的な対策だけでも、
害虫の発生は大幅に減らすことができます。

この

「暖かい」「湿度が高い」「餌がある」

という3つの条件を理解することが、
防虫対策の第一歩になります。

掃除機がかなり効果的


次回の記事では

「防虫」と「駆除」の違い

について解説していきます。

似ているように思えるこの2つですが、
実は意味が大きく異なります。

この違いを理解しておくと、
害虫対策をより効果的に行うことができます。