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農林水産省が主宰する『和文化・産業連携振興協議会』という組織で一緒に活動をしている【一葉式いけ花】の村上様から、アメリカのフィラデルフィアで10月に開催される『いけばなインターナショナル北米大会』で使用するミニ畳の製作依頼を請けました。
ミニ畳製作の要望として黒色の畳表を使用し、畳縁は赤系の色で大きさも数種類指定がありました。
色は指定でしたが柄に関しては特に指定がありませんでしたので、外国人がイメージする和柄を勝手に選ばせていただき発送しました。
ミニ畳の素材と品番、特長や畳替えで指定する場合の探し方とは
今回使用したミニ畳の【畳床】【畳表】はダイケンさんの製品です。
・畳床(たたみどこ)
ダイケンボード10㎜厚
・畳表(畳表)
ダイケン清流 09 黒染色
【畳縁】は高田織物さんの製品です。
・畳縁(たたみべり)
大宮縁開運福太郎
No.1 赤達磨
No.11 宝船
No.12 蝶
No.13 花鳥
No.41 ひょうたんに駒
No.44 招き猫
大宮縁HANA香織Ⅲ
No.2 梅
大宮縁フルル
No.9
畳表の指定は以下のサイトを参照してください↓
ダイケン清流は機械漉き和紙を樹脂コーティングして、藺草(いぐさ)の太さにした物を織り上げた畳表です。
樹脂コーティングがしてあるため撥水性があり日焼けせず、肌触りもサラっとしています。
今回使用した清流は主に『縁無し畳』に使用される畳表で、目幅が細かく【目積表(めせきおもて)】と呼ばれています。
ミニ畳には丁度良い目幅ですよね。
畳縁の指定は高田織物WEBカタログを参照してください↓
高田織物さんは岡山県のメーカーで業界トップシェアの種類を販売しています。
オリジナルの畳縁を作ることも可能ですので、自分だけのデザインで畳縁を製作してみたい方は畳店にご相談ください。
日本で練習用にいけた花とミニ畳の写真をいただきました
フィラデルフィアに向かう前、村上さんから試作の写真が送られてきました。
ハッキリ言って度肝を抜かれましたね。
彼岸花の季節だった
まさか立てて使用するとは!
若い頃は畳の可能性を模索し続け、歴史やしきたりを打ち破るような畳を作りたい!と思っていましたが、歳を重ねるごとに頭は凝り固まり、【畳は敷く物】という固定概念で生きてきたようです。
最初に写真を見た時の率直な感想は「構図が素晴らしい!」というものでしたが、直後に「畳、立てちゃった!!」という感情が沸き上がり、その後すぐ「構図が良いからコレはアリだな!!!」になりました。
自分では発想もしなかったような畳の使い方に、驚かされると思に、自分の固定概念がいかに古臭いかを思い知らされました。
フィラデルフィアで出店した、いけ花とミニ畳のコラボレーション
家元の粕谷さんとアメリカまで行き、花だけではなく様々な機材や素材を現地調達し臨んだ村上さんから、実際の写真も送ってもらえました。
実はミニ畳製作の期間には畳替えのご依頼が殺到している時期でもあり、村上さんの要求に100%応えられたかというと疑問は残るのですが、私なりに小さな畳とはいえ精魂込めて作製した畳がアメリカの舞台で発表されたのは本当に嬉しく思いました。
畳の可能性は多種多様なデザインや素材によって無限に広がっていますし、使う方のニーズに応えることも畳屋の使命だと思っています。
今回のミニ畳はその第一歩に過ぎないかもしれませんが、私にとっては大きな一歩になりました。
日本固有の文化であるからこそ見直されていると考え、今後も畳の可能性に一助できればと思っています。
本番でお披露目された生け花とミニ畳
細部や裏側にもこだわりが感じられる
一葉式いけばなさんにご興味を持たれた方は下記のリンクを参照してください↓
家元の粕谷さんは私よりも若いのに朗らかな性格で優しく、海外でも多くの実績を積んでお弟子さんも多くいます。
生け花の体験コースなどもありますので個人的に凄くお勧めいたします。