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今回はご縁がありご紹介によって納めさせていただいた、樹脂表の置き畳についてご紹介させてください。
よくお客様から「八巻さんはどのくらい遠い所まで行ってくれるの?」とご質問を受けます。
正直に言うと当店のような小さな畳店は自社のある東京都北区か、その隣接区のお仕事がほとんどです。
しかし【ご縁】と【ご依頼】があれば交通費のみでどこでも行きます。
過去には『三宅島』や『名古屋』に行きましたし、最近では京都まで何度も足を運びました。
そう考えると今回の神奈川県鎌倉市は近い方かもしれませんね。
施工前
施工後
置き畳を要望されるオーナー様と、その立地や環境に配慮した打ち合わせ
私が遠い現場でも極力、下見・見積もりに行くのには大きな理由があります。
まず一つ目は施主様であるオーナーの要望に寄り添いたいためです。
畳と一言で言っても現代の方には分からないことが多いのは当たり前ですし、そもそも素材にバリエーションがあることを知っている方は少ないと思います。
「どこかで見た畳が良かった」とか「こんなイメージできる?」というのは直接打ち合わせをして、できるだけイメージに近い施工を心掛けるためです。
二つ目は住環境によってメリットとデメリットが大きく出やすいという理由です。
畳を敷くのは決定としても、素材によっては合う・合わないが住環境によってはあるためです。
大きく作用するのは日当たりや湿度、メンテナンスやペットの有無など、こればかりは現地調査をしないと体感できません。
今回の現場は半地下の事務所で、畳の使用方法としては『くつろぎながら仕事ができる』点と『休憩するのにも使える』というご要望でした。
事務所に畳があれば足を延ばしてくつろぎながら仕事ができますし、少し横になって休むというのにベッドもソファーもいりません。
従業員さんのことを真剣に考えている社長さんだなぁ、とこちらも感動しました。
すごく良い!
しかしビーチの真向かいにある半地下という立地には【高湿度】という大きな壁があります。
天然藺草(いぐさ)のように湿度を吸放出する素材ではカビが生えやすくメンテナンスには不向きだと感じました。
そこで私はカビが生えなくメンテナンスの楽な樹脂製畳表を提案いたしました。
事務所に敷く置き畳に使用した素材とその構造とは
今回の現場は高湿度がネックになっていましたので樹脂製である【セキスイMIGUSAのチャコール】という素材と色が採用されました。
セキスイMIGUSAの色見本帳
縁達磨さんはデザインも手掛ける会社のため、社長は見本帳を見るなり直感で『ブラック』か『チャコール』のチョイスをし、すぐにデザイナーさんと映像を使用して打ち合わせ。
結果、畳表はチャコールに黒の純綿縁という選択でした。
縁達磨さんのサイトはこちら↓
製作に取り掛かり当店の置き畳は他店とどこがどう違うのか?というご説明をしたいと思います。
まず芯材である畳床(たたみどこ)はダイケンボードという木質チップボードを採用していますが、そのままだと硬くてくつろげないので2㎜厚のクッション材が標準装備してあります。
その上に畳表を張り付けるのですが、これもそのままでは踏まれた角が丸くなって次回の張り替えが出来なくなることもあります。
そのため当店では四方に薄いプラスチック製コーナーガードを入れて、角が潰れないようにしてあります。
右上の茶色い部分がプラスチックコーナー
畳表(ゴザ)の下が不織布とクッション
通常洋間に敷く場合などは裏面に滑り止めシートを貼り付けて動きにくくするのですが、今回の床は普段土足で歩くような素材で出来ていましたため、更に玄関マット用の滑り止めも使用。
玄関マット用の滑り止めを置いて敷く
他店には無いこだわりを感じ取っていただけたでしょうか?
増え続ける置き畳、その理由と使用方法が量販店で安価な物ではいけない理由
近年、日本における畳の需要は急速な減少傾向にある中、こと【置き畳】に関してだけは一部の量販店で非常に需要が高くなっています。
その背景には購入したり借りた物件が洋間しかなく、フローリングの上でくつろげない方や、子育てペットに適度なクッション性のある畳が良いと思って採用されているようです。
実際にフローリングのみの家に住んだことも過去ありますが、ソファーを背もたれにして床に座ってTVを見てるとお尻が痛くなってきます。
そもそもソファーに座れば良いだけなのですが、日本人だからか床に座っている方が落ち着くんですよね。
他にもリビングの一角に畳コーナーを依頼してくださったお客様は「赤ちゃんが転んでも痛がらないし、添い寝もできるから」とおっしゃっていました。
1畳だけ置き畳を欲しいというお客様に理由を聞いた時は「綺麗になった洗濯物をフローリング床で畳みたくない」そうです。
マンションなどの集合住宅では子供の足音が下の階に響くのではないか?と心配する方もいますし、フローリングではペットが滑ってかわいそうという意見もありました。
そのような理由で購入を検討される方はホームセンターやニトリなどで買う事がほとんどだと思います。
しかしその置き畳は中国製がほとんどで畳表(ゴザ)を糊で圧着してあり、張り替えできないので使い捨てになってしまいます。
置き畳は採寸の必要が無い場合も多くありますので、ある程度電話やメールでの打ち合わせで適切な素材をご提案できます。
気になった方は下記のリンクをご参照の上、お問い合わせください。
送料が掛かりますが郵送も可能です。
お問い合わせはLINE公式が便利です。