押入れや間仕切りの襖を横に引いて開け閉めすると「カタカタカタ」とか「ガタガタガタ」と異音がする時がありますよね。

気にしなければ何という事もありませんが、気になり始めると結構ストレスになるこの異音。

襖が古くなって破れていたりすれば貼り替えの際に直してもらえば良いのですが、貼り替えるほど傷んでいないのにこれだけで表具店に問い合わせするのも気が引けます。

そんな時は自分で出来る解決方法がありますので試してください。

 

 

襖の開閉で鳴る異音の原因とは?

いわゆる『本襖』と呼ばれる木枠(縁)で四方を囲われた襖の場合、長手の縁の一番下部分が下桟(横方向の短手)よりも下に出っ張っている時に音が鳴ります。

これは特に敷居(しきい)という下レール部分の滑りが悪い時に起きやすく、襖を引いた時に縦桟の最下方である切り口部分が取り残され、戻り、取り残され、戻りという感じで音が鳴ってしまうためです。

 

敷居の上に乗った縦桟と下桟の縁

 

もう少し分かりやすく言いますと下桟の縁と縦桟の縁がしっかりくっついていないため、縦桟が引っ張られた摩擦により鳴るという現象です。

そのため襖を右に移動したときは鳴るけど、左に移動したときは鳴らないといったように、どちらか側片一方に動かした時にしか音は鳴りません。

左に引いて動かした時に鳴れば右の縦桟が原因、右に引いて動かした時に鳴れば左の縦桟が原因です。

 

 

襖は襖でも少し種類の違う『戸襖』で音が鳴る理由とは?

他に異音の原因としては『戸襖(とぶすま)』と呼ばれる板戸で起こることがあります。

本襖と戸襖の違いは地域性もありますが、概ね『押入れ』や『和室同士の間仕切り』に使用されるのが本襖。

『和室』と『洋間』や『廊下』の間仕切りに使用されるのが戸襖です。

本襖は四方を木製の縁で囲われ、芯材は障子のような格子状の組子に紙が貼ってあるのに対し、戸襖は板戸と言うくらいで和室側はベニヤ板の上に襖紙が貼ってあり、洋間側は壁紙(クロス)が貼ってあります。

 

違いが分かったところで戸襖が「ガタガタ」音が鳴る理由は『戸車(とぐるま)』という車輪にあります。

本襖では車輪がありませんが戸襖は重いので戸車が付いていることが多いです。

この戸車はプラスチック製の物が多く、経年劣化で車輪が剥がれて「ガタガタ」と転がるために音が鳴ってしまいます。

その場合は戸車自体を交換する必要がありますので、自力でやりたい方は下記を参照してください。

 

また、新潟県などの豪雪地域では押し入れや間仕切りの襖に戸襖が採用されていることが多くあります。

諸説ありますが、屋根に積もった雪の重みに耐えられるよう丈夫な戸襖にすると聞きました。

参考にしてください。

 

 

異音のするガタガタした襖はたったこれだけでスムーズに開閉できる!

ここまで襖の開閉で異音がする理由を述べてきましたが、では実際に解決するのにはどうしたら良いのか?

安心してください、素人でも簡単に解決する方法があります。

 

まず異音の原因となる縦桟の縁と下桟の縁が接着していないことが理由ですので、この二つをくっつければ異音は止みますよね。

具体的にはセロハンテープや養生テープでしっかり固定すると一番簡単です。

この時にボンドなどの接着剤を使用するのは辞めましょう。

理由は襖の貼り替えの際に縁を全て外して貼り替えるため、接着してしまうと縁を壊さなければいけなくなるためです。

貼り替え時に余計な出費と手間が掛かるため、簡易的に止めるテープをまず試してみてください。

コツは両方の桟が完全に密着している状態でテープを貼ること。

隙間があったり遊びがあると全く効果がありません。

 

養生テープで固定した

 

次にそれでも異音が止まらない場合について解説していきます。

テープで固定しても敷居の滑りが悪い場合は縦桟が引っ掛かり、摩擦によって異音がしてしまう場合があります。

そのような時は簡易的にやるなら敷居の溝(レール部分)にロウソクのロウを塗ってください。

溶かす必要は無く、ただただ擦れば大丈夫です。

滑りが良くなると摩擦が減りますので異音がしなくなると思います。

 

それでもまだ異音がする場合。

その時は道具がいりますが釘打ちが良いでしょう。

金槌(ハンマー)で釘を打って固定してしまう方法です。

この方法は完全に固定できる反面、リスクもあるので詳しく解説していきます。

 

まず襖の木枠である縁は木製のためそのまま釘を打ってしまうと割れてしまう恐れがあります。

そのため釘を打つ前に電動ドライバー(インパクト)かキリで下穴を開けてから釘を打つことを強くお勧めします。

釘ではなくビスでも良いのですが、どちらにしても太いと割れやすいので出来るだけ細い釘かビスを使用してください。

 

縦桟と横桟が合わさる所に打つ

 

これはイレギュラーな解決方法ですが、ノコギリを持っている方であれば下に出っ張った縦桟をカットして、横桟よりも短くするという解決方法もありますが、これは襖の建付けが悪くなり傾くため隙間が出来る原因になります。

襖の隙間が気にならない方であれば、この方法でも解決します。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

ご自分で簡単に解決できる方法から、ちょっと道具を使用するけど完全に固定して解決する方法。

接着剤を使用しない方が良い理由など、ご理解いただけたと思います。

それでも解決しない場合や、ご自分では大変だという方は襖の貼り替え時にプロへご依頼ください。

縁に問題があるのであれば縁交換で解決します。

今回のブログが少しでもお役に立てれば幸いに存じます。