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畳をめくって剥がすと煙のような白い粉が舞い、床下に白い粉状の粉末が大量に敷いてあったら驚きますよね。
今回はその粉がどんな物質でどのように除去したら良いのか。
また、危険性や床下の虫についてなど解説していきます。
畳の下に白い粉
畳の下の白い粉末には大きく分けて2種類、その見分け方は?
実はこの粉状の白い粉末は【スミチオン】という薬剤か【シリカゲル】の2種類であることが多いです。
シリカゲルは密閉された食品の入った袋に同梱されているので馴染み深い乾燥材で二酸化ケイ素から出来ています。
危険性が低いため今回は特に触れませんが、細かい粒子になって舞ったものを吸い込んだ時の安全性は分かりません。
そのため敷いてあった場合は除去することをお勧めします。
素人目には大変分かりにくい上記2種類の見分け方は、まず粉末の大きさが違います。
スミチオンが完全に小麦粉のような細かい粉末なのに対し、シリカゲルは粒子状でザラザラしてまとまると重いです。
少し前に流行った畳の下にシリカゲルを敷くという行為は特にマンションの和室に多く、畳の下がコンクリートで厚めの透明ビニールシートが敷いてあり、その上にシリカゲルが撒いてあって色も真っ白というより少し黄みがかっています。
マンション購入時のオプションとして販売されていたようで畳の下の調湿を狙ってのことだと思います。
正直な話、2階以上の部屋では湿度がそれほど溜まりませんので必要ありませんし、防虫効果は無いので除去した方が良いです。
下敷きのビニールシートで包んで捨てると楽ですね。
スミチオンは小麦粉のような粉末
畳の下に撒いてある白い粉がスミチオンだった場合の安全性とは
スミチオンはMEP(フェニトロチオン)と呼ばれる有機リン系殺虫剤です。
主に園芸用として現在でも販売されており、人体への影響は少ないとされております。
およそ30年前には畳の下にいる害虫(ダニやシミ)を殺虫するために【ナフタリン】という薬剤とともに多く使用されてきました。
ナフタリンは気化して残留性が少ない代わりに呼吸器に疾患のある方への人的影響が多かったですが、スミチオンは畳の下に撒く分には匂いもほとんど無く残留することで防虫効果も期待できました。
しかしその残留性が問題で何十年経っても粉末は残ります。
人体への影響を考えると畳の下とはいえ畳同士の隙間から上に舞わないとは言い切れませんので、こちらも完全に除去することをお勧めします。
特にシックハウス症候群の方や妊娠中の方にはどのような影響が出るのか分かりませんので、畳替えの際はよく確認してみてください。
スミチオンが撒いてある床下の害虫と掃除(除去)方法とそれに代わる安全性の高い防虫剤
スミチオンは残留性の薬剤ですので私が知る限り撒いてある床下には虫の痕跡が全くありません。
殺虫・防虫と言う面では優秀なスミチオンですが人体への安全性を考慮するのであれば、畳店としては除去を推奨します。
現在では即効性は無いものの、安全性と持続期間が半永久的である【ホウ酸塩】を染み込ませた防虫紙が主流です。
ホウ酸塩の防虫紙
ゴキブリ団子で有名なこのホウ酸塩は人間が口に含んでも塩程度の害しかありません。
揮発もしないので呼吸器にも影響ありませんし、この防虫紙を食べた虫が死ぬと死骸を食べた虫まで死んでくれます。
スミチオンが撒いてあった場合の除去方法は、徹底的にやるのであれば清掃業者に依頼するのが良いでしょう。
ただ、費用を抑えて畳替えのタイミングで行いたいというのであれば、ご自分でも除去することが可能です。
まず吸い込まないようにマスクと付着を防ぐための衣類が必要になります。
マスクは少し高くても高度なフィルターが良いのは言うまでもなく、衣類に関しては舞った薬剤が付着しないように防護服までいかなくても雨合羽やウインドブレーカーのような生地が最適です。
もちろんフードも使用してゴーグルや手袋もあった方が良いですが、微量を吸ったり付着しても大きな影響が出るようなことは私自身ありませんでしたので、神経質になり過ぎなくても個人的には大丈夫だと思います。
次に畳を剥がして一時的に搬出した床下の清掃にかかります。
スミチオンの粉末は厚めに撒いてあることが多いので、窓を全開にしてその他の大き目なゴミと一緒にホウキで掃き掃除してください。
ホウキで掃く
この時にどうやっても粉が舞ってしまうので掃き掃除を避けたい気持ちは分かりますが、いきなり掃除機を使用してもすぐに目詰まりをしてすぐに吸えなくなってしまいます。
できるだけ粉が舞わないように掃いて集めゴミ袋に入れると良いでしょう。
大まかなゴミや粉を片付けた後は掃除機の出番です。
掃除機で吸う
しかしこのスミチオンという薬剤は非常に細粒な粉末で、床にこびりついた全てを掃除機で吸い取るのは至難の業です。
掃除機のフィルターを何度も綺麗にしても中々取り切れないため、一通り除去した後は雑巾で水拭きすると綺麗になります。
もちろんモップのようなものでも良いのですが、コツは水拭きの前に出来るだけ粉を取り切っておくことです。
そうでないと床材によりますが木質の場合は薬剤を伸ばして広げているだけになってしまいますからね。
畳の裏側もビニールシートが張ってある場合は同じように水拭きします。
裏面が藁(わら)剥き出しの場合は外に出して叩き、粉を飛ばすしかありません。
自信が吸い込まないのは勿論、隣家にも気を付けながら行ってください。
裏にビニールが張ってある畳
まとめ
ご自身で畳を剥がして床板を確認するという事はほとんどないと思います。
そのため畳店に畳替えを依頼して初めて床下のスミチオンに気付き、コレどうしたら良い?と悩む方が多いと思いこのような記事を書きました。
依頼する畳店によって違いますが、地域のちゃんとした畳店であれば知識もあるので除去を勧めてくれると思います。
しかしそういった畳店ばかりではありませんので、畳の引き取りと納品の合間に上記のような除去方法を試してみてください。
因みに当店では床下掃除は料金内に入っておりますので掃除機まではお任せください。
床板の水拭き仕上げとなると別料金ですが、ご自身でやるのは大変な場合はお気軽にご相談ください。