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畳ではなく畳表に縁(へり)を縫い付けた物を【上敷き(うわしき)】や【茣蓙(ござ)】と呼びます。
また、畳として使用され剥がした後に裏面未使用のゴザに縁を付けた物は【薄縁(うすべり)】と呼ぶのですが、今回は新品の畳表に縁を付けた【上敷き茣蓙】の施工事例です。
6mを超える長さの御座
保育園のお昼寝で布団の下に上敷きゴザを敷くメリット
今回施工させていただいた保育園さんはリピーターのお客様で前回作成した上敷きが傷んできたことを理由に、再度同じように上敷きをご依頼いただきました。
お昼寝で布団を敷いて園児が睡眠を取るのですが、小さいお子さんは体温が高いので汗をかいて敷布団がしっとりしますよね。
湿気を吸い取らないフローリングの上に敷布団を直置きすると温度差による結露のような状態になり、布団は蒸れて水分を蓄えたままとなります。
しかし吸放出性のある畳表(ゴザ)を敷くことにより、余計な水分は畳表が吸水し布団を移動すれば吸った水分を放出するので理にかなっていると言えます。
これは和室の畳の上に布団を敷いて寝るのと同じ効果がありますよね。
また天然藺草(いぐさ)で織られた畳表は【バニリン】や【フィトンチッド】という芳香成分により森林浴と同じ効果が認められています。
そのため質の高い眠りにより安眠できるという科学的なデータがあるほどです。
これはもうフローリングは辞めて畳かゴザを敷いて寝るしかありませんね。
広いホールに敷かれた上敷き茣蓙
保育園に使用した畳表(ござ)の特徴とその生産者さんがこだわる安全性
国内産の天然藺草を使用した畳表であれば農薬の基準など厳しく管理されていますので安全性に問題は無いと思います。
しかし幼児が直接肌に触れる可能性のある上敷きということもあり、今回は無理を言って私が通い続ける熊本県八代市の藺草農家、吉田さんに畳表を提供していただきました。
通常上敷き茣蓙に使用される畳表は【諸目(もろめ)】と言って、普通の畳に比べて目幅の少し狭い織り方をしています。
しかし当店では実際に畳として張り替えや新調に使用する【引目(ひきめ)】の畳表を使用して上敷き茣蓙を作成し納品しています。
藺草1本1本の長さや太さも全く違います。
ホームセンターやネット通販で購入できる安価な上敷きゴザもたくさんありますが、畳屋が実際張り替えに使用する畳表を使用した上敷き茣蓙は耐久性の面で抜群に優れていますよ。
吉田さんが栽培した藺草の秀逸な点は【特定栽培農産物】に指定された【残留農薬検査】で農薬不検出であることです。
これは野菜では見かけることはありますが藺草ではまだまだ検査対象になっている製品は少なく、農薬や除草剤を極限にまで減らして栽培されている証拠となります。
耐久性という面で言いますと前回作成したゴザは長手だけに縁を縫い付けていましたが、転がすように敷く長いゴザですので持ち手の部分に負荷が掛かり藺草が抜けてしまう現象が見て取れました。
そのため今回は短手の方向にも縁を縫い付けて強度を増し、放り投げるように転がしても藺草が抜けないように作成しました。
年長の園児たちが年下の子供たちのために敷いてあげることもあると聞き、この仕様は意味があったと思います。
畳の上に上敷き茣蓙を敷くのは良くない?メンテナンスと使用方法を守れば悪くない理由とは
畳が傷んでくると上から隠すように上敷き茣蓙を敷く方も多いと思います。
それ自体は悪い事ではないのですが問題は敷き放しにしてしまうことです。
上敷き茣蓙は藺草を織り上げて作られている構造上、細かなホコリはすり抜けて畳とゴザの間に溜まってしまい、そのホコリを栄養分としたダニやカビが発生することが多くあります。
そのためゴザを敷いた場合は上敷き鋲などで留めず1週間に1度程度は定期的に剥がして掃除機をかけることをお勧めします。
また剥がして通気性を良くすることによって湿気を放出することも良いメンテナンスと言えるでしょう。
個人的には夏場だけ敷き布団の上に上敷き茣蓙を敷いて寝ています。
布団の上に敷いたゴザ
汗をかいてもサラッとして気持ちが良いので使用していますが、これは一般的な【寝茣蓙(ねござ)】とは違い実際、畳に使用される畳表を採用していますので少し硬いですが寝るだけなら10年くらい平気で傷まないメリットがあります。
1畳からでも作成可能ですので、上敷きゴザや寝ゴザにご興味のある方はお問い合わせください。
ホームセンターやネット通販では売っていない、本物の畳に使用する熊本県産畳表を使用した逸品です。
※縁の指定や送料については別途お申し付けください
お問い合わせやご不明な点は下記ライン公式にてお気軽にどうぞ。