Table of Contents
戸建て住宅にお住まいの方は自宅の床下を覗いて見たことがありますか?
床下というのは普段は目に付かず、どの程度の湿気やカビ、虫がいるのか想像しただけで怖くなりますよね。
床下点検口があれば簡単に見ることができますが、そうでない場合はまず気にもしないと思います。
今回はその床下の状況について、畳替えの際に床を切らなくても簡単に診断できる方法を解説していきます。
床下の様子
床下の湿気が気になるなら畳を上げて荒板の状況で判断する
1階にある和室であれば畳替えの際に畳を引き上げると荒板(あらいた)という床材が出てきます。
最近ではコンパネという分厚いベニヤが主流ですが、以前は20~30cm幅の板状になった木材を並べて敷いてありました。
コンパネの場合は床下の湿気が多いと水分で糊が効かなくなり、薄いベニヤが剥がれて波打って脆くなります。
荒板の状況を見て床下の湿気がどの程度酷いのか?は、主に2つをチェックすれば直ぐに分かります。
・荒板を留めている釘やビスが錆ていないか確認する
荒板の下には根太(ねだ)という角材が支えになっています。
この根太に荒板は釘やビスで固定されているのですが、湿気が多いと釘やビスの頭が錆て茶色くなっています。
・根太の間を踏んでたわみを確認する
根太の位置は上記で述べたように釘やビスが打ってある箇所になりますので、上から見て釘やビスの間になる所を踏んでみましょう。
体重を掛けて少し沈むようであれば荒板自体が湿気により弱っている可能性があります。
コンパネの荒板
木の荒板
床下の湿気はカビとシロアリなどの害虫を呼び込む?コンクリートでも油断できないその理由
基本的に古い日本建築で作られた家では床下が土というのが普通です。
最近ではコンクリートの基礎が主流なので湿気も虫も大丈夫と思いますよね?
しかし家を建てる際に防湿のコンクリート(高額)を採用していない場合は注意が必要です。
コンクリートは水分をかなり吸収しますので、床下の環境が悪く湿気が多いと飽和するまで吸い続けます。
通常は換気によって湿気を吐き出しますが、構造上換気が上手く行かない・常に湿気が残る立地であればその床下はカビが発生しやすい環境と言えるでしょう。
またシロアリはコンクリートにある僅かな隙間から床下に侵入します。
そして束(つか)や大引き根太といった木材を食い荒らすので、床下がコンクリートか土かというのはあまり関係がありません。
コンクリートの下になる土部分は常に湿気っていますので、シロアリにとっては良い住処になっていることもあるようです。
カビだらけの床下
床下の湿気を根本的に解決するなら換気扇?防湿シート?調湿材?
畳を新しくしようと剥がしたタイミングで湿気やシロアリによって荒板の状態が悪い場合は、荒板を剥がして新しく張り替える必要があります。
シロアリ被害の場合は駆除業者に依頼するしかありませんが、湿気の根本的な対策にはこのタイミングで床下に何らかの施工をする必要があります。
費用対効果の問題もあるので自分でやってみたいという方も多いと思いますが、個人的にはあんまりお勧めできません。
理由は一言で『床下の湿気』と言っても、各家庭の立地条件や構造で湿気の原因が異なるためです。
換気扇を複数台設置するのは予算的に厳しい・・・。
そんな方は自分で簡単に施工できる除湿剤を撒きますよね。
ちょっとDIYが得意な方なら防湿シートを張っても良いと思います。
しかし湿気には常時多湿な場合と季節によって異なる場合とがあります。
季節によって異なる場合は気温差による結露が原因なので、床下換気を回し続けたからといって良い訳ではありませんし、吸気や排気の位置など専門的な知識も必要です。
まとめ
畳は1枚でコップ2杯分の水分を吸ったり吐いたりできる調湿に優れた床材です。
しかし床下が酷い湿気の場合は、その吸った水分を吐き出し切れずにカビが生えてしまうことも・・・。
畳替えの際に床下の湿気が気になった場合は畳屋にお尋ねください。
そして床板(荒板)を張り替えるほどの施工が必要な時は自分で判断せず、工務店など専門家に相談して湿気対策をすることをお勧めします。
東京都北区で四代110余年
有限会社 八巻畳工業
03-3917-9827