「そろそろ寒くなってきたから掘り炬燵にしようかな」と思った時に「この畳どうやって持ち上げるの?」という経験をした方も多いのではないでしょうか?

今回はプロ用の道具が無くても簡単に畳を引き上げる、一般家庭にある道具を使った方法を伝授いたします。

お茶室の炉蓋畳も同じ方法で引き上げる事ができますので参考にしてみてください。

 

 

畳を捲る(めくる)のに必要な道具はどこのご家庭にもあるアレで十分です。

我々畳屋なら『敷き込み鍵』というフック状の太い針で畳を引き上げてしまいます。

しかし一般の方はこの道具を持っていませんし、購入する事もかなり難しいでしょう。

 

敷き込み鍵

 

今回はどのご家庭にでもあると思いますが『マイナスドライバー』を使用した畳の引き上げ方を解説します。

小さいサイズですと曲がったり折れてしまう事がありますので、20センチ以上の物が好ましいです。

プラスドライバーでも代用できない事はありませんが、差し込むの際に畳を傷付ける可能性がありますので、出来ればマイナスが良いでしょう。

 

 

畳を持ち上げる際の注意点とその方法

変なやり方をして畳が傷付くのは悲しい事ですが、誤って怪我をするのはもっと悲惨です。

以下の方法を守って畳を捲れば怪我をする可能性も低くなりますので、よく読んで実行してみてください。

 

1 持ち上げたい畳と隣接する畳の隙間が一番広い箇所を探す

マイナスドライバーを差し込む際に畳を傷付けないよう隙間から畳側面に差し込みます。

このため隙間が大きい方が刺しやすいので探してみてください。

ポイントは畳の中央ではなく端に近い部分に刺す方が持ち上げやすいです。

 

畳同士の隙間

 

2 深く斜めに刺す

ドライバーが浅く刺さっていると持ち上げる際に抜けて危ないので、出来るだけ深く刺してください。

金槌などで柄の部分を叩いて差し込んでも良いかもしれません。

 

深く刺す

 

3 真上に引き上げて畳を浮かせる

深く刺さっていれば真上に引き上げた時に抜けにくいので安全です。

しかし万が一もありますのでドライバーから十分に顔を離し、頭を下げないようにしてください。

 

真上に力を入れて引き上げる

 

4 浮いた畳の下に指を入れて手で持ち上げるように畳を剥がす

ドライバーだけで引き上げようとすると危険ですので、指が入る程度に持ち上がれば手で引き上げます。

剥がした畳の裏には記号や字が書いてありますので、次に畳を戻す際は同じ方向で同じ位置に納めます。

写真やメモに残しておくと良いでしょう。

 

持ち上げる

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

忍者に襲撃された武士が畳を「パンッ!!」と叩くと簡単に持ち上がって良いのですが、20年以上職人をやっていても習得できないので大人しく敷き込み鍵を使っています。

くれぐれも怪我にだけはお気を付けて、無理のない範囲で実行してみてください。

見た目を気にしなければ、畳屋さんに言って紐を付けてもらう事も可能です。

「自分でやるのは難しい」と感じましたらご相談してみてください。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

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