Table of Contents
障子の紙って種類が色々あるのをご存じでしょうか?
今回は種類によって全く違った働きをする【障子紙】の説明をしたいと思います。
因みに今回ご紹介する紙の種類は主に『プロ用』ですので、ホームセンターに売っている障子紙とは異なります。
1 はじめに
まず障子の貼り替えを依頼する際にどんな機能を要望するか?が重要になります。
「普通の紙で問題ないよ」という場合でも{紙の厚み}や{無地}か{雲竜}か?など種類があります。
また小さいお子さんやペットがいる場合などは破けにくい障子が良いですよね。
ご自宅の環境に合った障子紙を見つけて選んでいただけると幸いです。
張り替えた障子
2 普通の紙
主にパルプを主原料とした紙で、例えるならコピー用紙に近い感覚です。
現在では『障子の張り替え』と言えば一般的にこの紙での施工になります。
耐久性はそれほどありませんので指で押せば破けてしまいますし、数年経つと黄ばんでくるのも普通の紙と同じですね。
因みに当店では{普通}{厚口}{特厚口}とある厚みの中で{特厚口}を標準使用しています。
普通の紙に比べて厚みがあるので強い障子紙です。
パルプが主原料で普通の紙に近い
3 破けにくい紙
原料の中に{レーヨン}を多めに配合した紙です。
紙なので鋭利な刃物などではもちろん切れてしまいますが、指で押したくらいでは破けません。
紙質ですからお部屋(空気中)の湿度をコントロールする機能は普通の紙のようにあり、水分を吸ったり吐いたりするのは紙と同じです。
主に小さいお子さんや老人など、障子に手をついて破ってしまうといったお悩みを解消する障子紙です。
また頻繁に障子を張り替えたくないという方にもお勧めいたします。
普通の紙質なのに強い
4 天然楮(こうぞ)和紙
こちらはの楮100%天然和紙で昔ながらの本物障子紙です。
特徴は風合いがあり調湿などの機能性も高く、お寺やお茶室などワンランク上のお部屋にお勧めです。
天然素材ですので一部楮の皮など異物が混入していることがございますが、これもまた良い風合いと捉えていただけると幸いです。
耐久性は和紙程度ですので破かないようにご注意ください。
楮の繊維が良く見えます
5 破けない紙
紙と説明しましたが正しくは『紙』を両面薄いプラスチックシートで挟んだ構造になっています。
刃物でなければ切ったり破いたりできませんので猫の爪にお困りの方にお勧めです。
またプラスチックシートなので水拭きも可能で日焼けにも相当強いです。
一度張り替えれば次の張り替えは太陽光でシートが劣化した頃になりますので、日当たりの弱い部屋であれば10年くらい平気で耐える耐久力です。
糊が付かないので強力な両面テープを使用して貼っているのも特徴です。
見た目は普通の障子紙
6 デザイン障子
素材は『不織布』を使用してあり、好みの絵や写真をプリントできます。
既存の柄は百種類近くありますし、ご自分で撮影したペットや風景なども障子として楽しむことができます。
不織布は調湿効果はありませんが耐久性があるので破けにくく、変色も少ないので居酒屋さんなどの店舗にも向いています。
もちろんご自宅で好みの柄を楽しむのも良いですよね。
鯉の滝登り
7 雲竜(うんりゅう)
無地の紙と違い和紙の繊維が所々にちりばめられている紙の名前です。
「全くの真っ白無地では面白くないな」といった方にお勧めです。
いかがだったでしょうか?
一言で『障子紙』と言っても多種多様な{素材}{柄}{厚み}があるのを理解していただけましたか?
「昔は自分で貼ったもんだ」と言う方でも、プロに依頼してみるとお部屋に合った障子紙を選ぶことができると思います。
障子の価格は↓こちら
障子 | 北区で四代110余年 (有)八巻畳工業 (yamaki-tatami.com)
また普通の障子に限って言えば『プロ』と『一般の方』との大きな差は【糊の濃さ】にあります。
自分で貼った障子紙って剥がすの大変じゃないですか?
プロは紙の種類とお客様宅の環境に合わせて糊の濃さを変えます。
どうしても濃くなりがちな糊ですが、剥がしにくいと組子という糊と紙の接着する木の部分が傷むので障子の寿命も縮みます。
ご自分で張り替える際は薄めの糊を心がけてくださいね。
東京都北区で四代110余年
障子もお任せ 有限会社八巻畳工業