TTMクラブ(たたみ・テクニカル・マネージメント)の研修で福井県鯖江市へ行きました。
有職(ゆうそく)といって寺社仏閣に使われる古来より変わらない特殊な畳の素材や、作製方法を主に学ぶグループです。
今回の研修に合わせ浜田代表より畳に関する100の問題が宿題として出されており、あまりの難問に前日の夜中まで勉強漬けの日々でした。
完全に寝不足の顔
1日目はお寺や床の間に使用される{高麗紋縁}の製造元である(有)中村機業場さんへ。
見た事も無い様な柄の紋縁(もんべり)があったり、織られる過程をじっくり拝見させていただきました。
※紋縁とは板の間に置き畳として使用していた時代、縁の柄によって武士など座る位を決めていた
織り上がった紋縁、このあと糊付けしてパリッとさせる
色や紋の形によって座る人間の位が決まっていた時代とは違い、現在では床の間などには好みの色柄が使用されています。
織機にて織られる紋縁
織る模様の基盤
この穴のパターンで、あの複雑な模様を織っているのかと思うと不思議です。
紙で出来ていて、ループし続けることにより同じ模様を織り続けるのです。
そして恒例の夜学へ。
畳に関する100の問題で分からない所を先生に聞いたり、畳談義は深夜まで続きます。
浜田先生の左で寝てる者あり
右も寝てる者あり
正面で寝ている者もあり
堂々と寝てる者もあり
と、自由な感じでバタバタ倒れて深夜に終了。
明日に続きます。
翌日は主に無地の純綿縁を織る石田織布(株)さんへ。
「撮影しても良いですか?」の問いに「真似できる技術はどこにもないでしょうからどうぞ」と気持ちの良いお返事。
普通の糸をまとめて縦糸とする
蝋(ロウ)でコーティングしながら、同時に棕櫚(しゅろ)でブラシがけ
横糸はボビンへ
更に巻き直す
縦糸と横糸を織機で織りあげる
こうして縁が織り上がります。
凄く手間が掛かっていますし、原材料の純綿も高価になり当店では化繊の縁に比べて割高です。
しかし無地の純綿には昔ながらの良い天然具合があります。
安い純綿縁は横糸の本数が少なく耐久性が劣るので、当店では石田織布さんの最高級品しか使用しておりません。
最後にこの研修の幹事をして下さった吉村畳店さんへお邪魔しました。
中3の息子さんが畳の材料で作ったNゲージ。
将来の畳屋さんらしく、凄く精巧に作られておりました。
当店は畳の縁に関して、東京でもかなりの種類を提案できるお店です。
見積もり時に見本帳を持参しますので、お気軽にお問合せください。
東京都北区で四代110余年
(有)八巻畳工業 03-3917-9827