最近では自宅の畳をDIYでフローリングに変える方も多いのではないでしょうか?

畳屋の私が畳の処分方法などブログに載せるのは同業者から叩かれそうで怖いのですが、実際処分に困っている方が多ければ不法投棄されて畳が嫌われるよりはマシなので、今回は畳の正しい廃棄の仕方をレクチャーしたいと思います。

 

 

まずは知りたい、その畳の構造と種別で変わる廃棄方法

簡単に畳の処分と言いましても、お住まいの自治体や回収業者などによって畳の素材が何で出来ているか?を求められるケースがあります。

「え?畳って藁(わら)で出来ているんでしょ?」って言う方がいますが『藁・発泡スチロール・藁』の三層構造になっている【藁サンド】というタイプや、『木質チップボード・発泡スチロール』の二層構造になっている【ボード】と呼ばれるタイプなど様々な畳があります。

大きく分けると【藁】【木質チップボード】【発泡スチロール】の組み合わせです。

【藁】だけや【木質チップボード】だけで出来た畳はありますが【発泡スチロール】だけで出来た畳はありません。

この発泡スチロールが曲者で、これが入っていると軽くて持ち運びは良いのですが、地方自治体によっては処分時に藁やボードと剥離して処分しなければいけない場合があります。

これ、簡単に言ってますが分けるの凄く大変です!

 

まず処分したい畳があった場合、その畳がどのように出来ているかは畳の側面で判断してください。

糸を切って縁を剥がせば畳の断面が見えますので素材が分かります。

 

藁床(わらどこ)

 

Ⅲ型ボード(真ん中に発泡スチロール)

 

 

古く必要がなくなった畳の廃棄方法は大きく分けて4パターン

基本的に畳は廃棄の段階で一般家庭ゴミではありません。

処分を考えている方は下記を参照してコスト面や手間をよく考えて、自分に合った捨て方を選んでください。

 

1 粗大ごみとして自分で出す

粗大ゴミで清掃局に引き取ってもらうためには、事前に連絡を入れ決められた日の朝に粗大ゴミの有料シールを貼り付け外に出しておく必要があります。(市区町村によって違う)

1畳の処分価格は1,000円前後と格安ですが、決められた日の朝8:00までに外へ出さなければいけないなど、30キロ程度ある古畳をご自分で担いで外に出すのは大変だと思います。

前日に出したくなる気持ちは分かりますが、雨で濡れると大人二人でも持ち上げられないほど重くなることもあり、その場合は回収してくれないこともありますので注意が必要ですね。

また、古畳は燃えやすいので前日から外に放置するというのはお勧めしません。

 

2 産廃業者に依頼して廃棄してもらう

不用品の回収業者に依頼する場合、業者によって価格は全くと言って良いほど違いますので一概には言えませんが、決して安くはありません。

理由は【重い】の一言に尽きるでしょう。

業者と言えど畳を処分するには決められた処分場に運ばなければなりませんし、処分費も掛かります。

利益を出すためには1畳で5,000円程度は掛かると思って間違いないと思います。

和室からトラックへ運ぶ手間など別料金も掛かる可能性がありますので、しっかり見積もりをしてもらうと良いでしょう。

 

3 畳店に依頼して廃棄してもらう

畳店で引き取ってもらうにはまず、近所であるという前提があります。

古くなった畳を新しく交換するのであれば処分料は2,000円~3,000円くらいが相場です。

しかし処分のみとなった場合は4,000円程度を頭に入れておいてください。

運ぶのはプロですからお任せできますが、一時保管して処分場に運ぶか業者に引き取ってもらいますので、それなりに費用は掛かります。

個人的には不用品回収業者よりは安いと思います。

 

4 小さく切って一般ごみとして廃棄する

一番手間が掛かりますが丸ノコや刃物によって切断してゴミ袋に入れ、家庭用の一般ゴミとして廃棄する方法です。

一度に出せる量は自治体によって違いますので、確認してから回収してもらってください。

そのような理由で何度かに分けて処分しなければならないこの方法は、手間と時間が掛かるという事です。

 

 

高い?安い?畳の価格別廃棄方法ランキング(安い順)

1位 小さく切って一般ごみとして廃棄する

この処分方法は実質無料ですので、価格面で言えば最安値と言えるでしょう。

 

2位 粗大ごみとして自分で出す

和室から運び出す労力は掛かりますが、決められた日時に出せる方ならこの処分方法がお勧めです。

 

3位 畳店に依頼して廃棄してもらう

ご近所の畳店に引き取ってもらうこの処分方法は、中には安いお店もありますので労力が掛からず狙い目です。

処分のみなので畳屋さんは良い顔しないと思いますが・・・。

 

4位 産廃業者に依頼して廃棄してもらう

ネット等で調べて見積もりを貰う労力をい問わなければ、安い業者を見つけることが出来るかもしれません。

基本的に安いという事は怪しいと思ってもらって良いので、依頼の際は自己責任でお願いします。

 

 

こんなに大変だと思わなかった・・・、畳の手間別廃棄方法ランキング(手間の掛からない順)

1位 畳店に依頼して廃棄してもらう

電話やメールで問い合わせて近所の畳店に依頼する方法です。

数軒問い合わせるだけで手間にはなりませんし、和室から慣れた手付きで運んでくれるので一番楽して古い畳を処分できる方法と言えます。

 

2位 産廃業者に依頼して廃棄してもらう

こちらも自分で運んだり切ったりしなくて良いのは手間が無くて良い所。

しかし安い業者の選定や、やり取りの手間が掛かるといった点は考慮してください。

 

3位 粗大ごみとして自分で出す

軽い畳や力自慢の男手があるご家庭であればこの方法がお勧めです。

決められた日時に外へ出しさえすれば良いので、出来る方はやってみる価値ありですね。

 

4位 小さく切って一般ごみとして廃棄する

上記3つと大きく違って、この方法は本当に大変です。

やってみればお分かりいただけますが、畳を切る作業は危険を伴います。

丸ノコと書きましたが慣れていないと大怪我に繋がりますし、カッターなどの刃物で切るのも時間と労力が半端ではなく掛かます。

燃えるゴミの日に何度も出す手間も良く考えて実行してください。

 

 

畑や家庭菜園で使ったら?土に還らない不法投棄は罰則が厳しい現実も

藁で出来た畳であれば細かく解して土として肥料に出来るのでは?と思いますよね。

その昔は全て天然素材で出来ていた畳ですが、現在では縫い糸がビニール製ですし、畳縁(たたみべり)はほとんどの場合PPなどの化学繊維が使用されています。

また3層構造になっている畳は真ん中に発泡スチロールが使用されていますので、完全に分離してから土に還す必要があります。

これらを完全に取り除いて藁だけにするのに掛かる手間は、正直「お金払って引き取ってもらえば良かった」と心から思うほど大変な作業です。

畳によっては殺虫や防虫処理によって薬品が染み込んでいる可能性もありますので、畑や家庭菜園で影響が出ないとは言えません。

本当に難しい問題ですが、土に還すのであれば専門家(畳店など)の指示を仰ぎ、適切に処理をしてください。

古い畳を不法投棄すると厳しい罰則があり、過去には逮捕者も出ていますので絶対におやめください。

 

役目を終えた畳

 

 

まとめ

個人的には畳屋ですので、畳が処分されていくのは本当に悲しい事です。

しかし役目を終えた畳が適切に処理されるのであればという思いから、今回のブログを書いた経緯があります。

皆さんもご自分に合った処分方法で古くなった畳を廃棄してください。

困った時は近所の畳屋さんに頼るのが良いと思う反面、良い顔しないだろうなぁ・・・、という複雑な思いもありますよね。

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

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