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普段目にする機会の少ない畳の下側ですが畳を引き上げると「あれ?初めて見たけど、うちの床板こんなになってるの!?」と驚く方が多いと思います。
建築様式によって様々な床材が使用されていますので、シリーズでその構造と掃除の仕方、出やすい害虫や通気性について解説していきます。
シリーズ3回目の今回はビックリする方も多いネダフォームと呼ばれる発泡スチロールを使用している床についてです。
そのような床板材を使用した畳の下になる床を商品名で『ネダフォーム』がありますので総称して呼ぶことがあります。
畳を剥がしてビックリ!
畳の下に敷かれている床材【ネダフォーム】とはどんな素材でできているのか?
畳を剥がして初めて知った!という方がほとんどですが、床材に発泡スチロールが使用されているご家庭は少なくありません。
多くはマンションなどの集合住宅に使用されていますが、一般住宅(戸建て)でも建築業者によって採用されています。
【ネダフォーム】は三昌フォームテックさんの商品名でカネカやダウなどもフォーム(発泡スチロール)を使用した床板材は販売していますが、建築業界では床板に発泡スチロールが使用されていると総称してネダフォームと呼ぶことが多いです。
ネダフォーム
【発泡スチロール】で出来た畳の下の床構造と素材による特徴とは
畳を剥がして床材が発泡スチロールだった場合には何種類かの構造があります。
一番古い建築現場でよく使用されているタイプはモルタル(セメント状)の団子を束として、その上に約90㎝角の発泡スチロール製建材がブロックにように敷いてあります。
このタイプは分厚い発泡スチロールを使用しているとはいえ、束になった場所以外は下が空洞にになりますので激しく使用感のある部屋の入口付近などでは発泡スチロールが凹んで、畳がフカフカするという経年劣化が見られます。
また砂を敷いた上に発泡スチロールというタイプもあり、この場合砂がレベル(床の水平)をキープしていますので一度剥がして敷き替えるのが大変困難です。
他にもコンクリート下地の床に建材用発泡スチロール板を並べてあるだけの場合もあり、強度的には申し分ないので畳が沈まず住んでいる方が全く違和感なく使用しているという場合もあります。
ダウのスタイロフォーム
畳屋の私が知る限り、最悪なのはリフォームなどで建築業者がネダフォームを剥がしてしまい、配管などをやり替えた後に適当な戻し方をしてしまった現場です。
その場合床材であるフォームが安定せずにガタガタしてしまい、上に畳を敷いても歩くと違和感を感じます。
特に出入り付近の良く人が歩く位置では元々凹んで違和感があるのに、更に不安定な踏み心地となってしまいますよね。
剥がしたフォームの裏側
ネダフォームの下側には空間ができます。
そこに虫が住み着きやすい特性がありますが、剥がして置き換えると安定性が損なわれますので畳替えのタイミングで防虫紙を敷くことをお勧めします。
安全な防虫紙
発泡スチロール製の利点はなんと言っても断熱性ではないでしょうか。
畳自体に優れた断熱性能があるのは勿論ですが、その床材に発泡スチロールが使用されている場合は特に底冷えがほとんどなく、1階などの下層階でも冷暖房の効率はとても良くなります。
また適度なクッション性能も踏み心地に影響しますので、コンクリート直よりもくつろげる和室になることは間違いありません。
畳の下が発泡スチロールだった場合のメンテナンスと掃除方法とは
基本的に畳替えの際にしか床下は掃除しないと思います。
ネダフォームの場合は前述の通り剥がして掃除するというのが非常にリスキーであるため、基本的には上から掃除機を掛ける程度の清掃方法となります。
ブロック状の発泡スチロールが組み合わせてあるため溝がありますので、その溝に溜まったホコリなどは丁寧に掃除機で吸い取ると良いでしょう。
継ぎ目の溝部分
畳やその下に発生する害虫については気になるところ。
詳しくは下記のリンクをご参照ください。
当店では床板の張替工事も承っております。
気になる方はお見積り時に「部分的に畳が凹む」など、違和感を教えていただけますと幸いに存じます。