今年2回目、やって来ました熊本県八代市の藺草農家である吉田家へ。

これだけ通うと「ただいまー!」って感じですが、毎回三食の食事と洗濯までありがとうございます。

飯が美味すぎて2キロは太って帰ります。

という訳で今年もポット苗のお手伝いを記事にしましたのでご覧ください。

 

 

田植えの準備段階、藺草(いぐさ)のポット苗は一言で言うと『赤ちゃん』

藺草は地下茎で密集して増える植物なので、その塊をバラバラに解して2~3本程度に分けると新たな芽が次々と出て、また密集して増えるというのを繰り返します。

夏の刈取り時には約10cm程度の経にまで膨れ上がる1束も、最初はこの『赤ちゃん』状態から増えたものなんです。

ポットに植える際は20cmくらいの長さだった藺草が、刈り取りの頃には150cmを超えてきます。

密集させて植えることにより太陽の光を求めて上へ上へ伸びて行くんですね。

とにかく農家さんはこの赤ちゃんをどんどん作って大人に成長させていく訳です。

 

苗割した赤ちゃん

 

伸びるとこんなになる

 

 

ポット苗を作る時期の藺草農家さんは朝から晩までの作業を1か月休みなく行う

今年は少しゆっくり目で早朝7:30頃から前日植えたポットを田んぼに並べに行きます。

土がぬかるんで上手く歩けませんが、全て人力で運んでいます。

 

人数が多いと早く終わる

 

帰ってきたら畑から持ってきた株になった苗を小さく割って水の張ってある容器へ。

その小さな苗を今度は320個の穴が空いて土が入っているパレットに刺していきます。

1つのパレットに320本ですよ?

しかもただ刺せば良いのではなく、育ちが悪そうな苗を間引きながら刺していきます。

苗割を適当にやるとここで大幅な時間ロスに繋がるのと、育ちの悪い苗を刺してしまうと順調に育たなくなります。

 

ひたすら優良苗だけを割っていく

 

とにかく刺し続ける

 

この作業を昼休憩を挟んで夕方まで行い、明るいうちにパレットを田んぼへ並べに行きます。

その後、夕飯を食べてから21:30頃まで続けて1日の作業は終了。

なんて長い1日かと思いきや、仲間と話しながら作業してたらあっという間でした。

 

夕方田んぼへ並べに行く

 

夜の部スタート

 

 

藺草にも種類があるって知ってた?今年度産の品種と特徴

吉田家では今年【涼風】と【ひのみどり】という2品種を作付けしていました。

涼風は新品種で沖縄地方の藺草が混じっています。

そのため高温に強く藺草の1本1本が太いのが特徴。

少し草にバラつきがあるため低ランクの畳表は色が少し斑に見えてしまう事もあります。

ひのみどりは細く色味が均一で見た目が綺麗な品種。

高温に弱いため近年の温暖化により育成不良が心配されています。

吉田さんの田んぼでも暑い時期に植えたひのみどりに、やや枯れが出ていました。

ここからどのように復活するのか楽しみです。

 

左側のやや枯れているのがひのみどり

 

 

除草剤や農薬を極限まで減らした特定栽培農産物の藺草は残留農薬毎年ゼロ

何度もご説明しているように吉田家で栽培された藺草は残留農薬検査をして、農薬が不検出の証明済みです。

田んぼには雑草が生え多くの虫がいて、その虫を食べる蜘蛛が巣を作って鳥も巣を作る。

安心安全な藺草を栽培するため雑草は手で抜いています。

現在は後継者の息子さんが立派に育ってきましたので、今後も安定して産直を続けることが出来ることに感謝ですね。

畳は直接肌に触れるものだから・・・。

吉田家が精魂込めて作った畳表をお求めの方はご相談ください。

畳屋の私が植付け・刈取り・畳への製造と責任を持って仕上げます。

 

昭則さんと息子の貴ちゃん

 

今回のメンバー

 

 

東京都北区で四代110余年

有限会社八巻畳工業

03-3917-9827