寺社仏閣で古来より使われてきた畳を、できるだけ昔ながらの材料と作り方を変えずに作る。
有職畳とは簡単に分かりやすく言うとそのような畳です。
今回は北は宮城県、南は沖縄県から総勢40名の畳屋が東京に集結しました。
私は参加させていただいてから間もないのですが、私より若く初めて参加したという方も多く毎回活気がある研修会です。
講師はお馴染み、私が勝手に師と仰ぐ浜田大明神様。
渋滞というハプニングで2時間以上サシでお話を伺う事ができました☆
モタモタしとると赤鉛筆で目ん玉エグるぞぉ~!って、言ってるとか言ってないとか
浜田先生の言う事は絶対です。
手術室を思い浮かべて下さい。
医師が「メス」と言うと手にメスがスッと来る状態。
浜田先生が見本を見せている時は皆が被り付きで寄り、一言「ハサミ」と言うと皆がハサミを探して差し出します。
なので私も「山下廊下」と言われれば条件反射で身体が勝手に動いてしまうのです。
香川県から来て来て廊下で寝る山下君
翌日、山下君が「な、、なんか起きたら廊下にいて・・・」とかブツブツ言っていたので教えてあげました。
「お前酔っぱらって、こんな部屋で寝れるかいっ!って怒鳴りながら廊下に人が一人通れる分だけスペース空けて、丁寧に布団敷いてから寝てたぞ」って。
そしたら山下君
「そッスか!」って言ってました。
毎晩深夜3時頃まで夜学をしていましたので、皆疲れていたのでしょう。
私なんか通称「イビキ部屋」と言われる、イビキが凄い猛者達の部屋に押し込められましたが朝まで目が覚めませんでした。
研修の話しに戻りましょう。
左側に切れ目があり、そこで繋いであります
円形の畳なので一周して来た縁の部分は糸で縫って繋いであります。
「ここを繋いであるよ」と言われなければ分からないほど綺麗に手縫いされています。
まあ、僕が縫った訳ではないんですけどね。
真面目にやっているフリだけは上手い
完成に近づいてきました。
円形畳を作る畳屋さんはいますが、今回のこの方法で作る方はまずいないと思います。
一番難易度の高い縁の柄(紋)が綺麗に出た時は「おおっ!」と思わず声が出るほど。
ほんの一工夫ですがそこに辿り着くまでに何度も挑戦したと浜田先生は言っていました。
と、同時に本当は各々若手の職人が自分で悩み、失敗しながらここまで来るのが理想だとも。
確かに聞いて解決する問題よりも、自分で悩み抜いて解決した難問の方が糧になります。
今後も日々精進ですね。
完成後の集合写真
予定通り円座は完成し、その後他の作業なども勉強させていただき終了となりました。
このように素晴らしい技術を惜しみなくご教示下さる浜田先生と、TTMクラブの参加者全員に心から感謝申し上げます。
東京北区で四代100余年 (有)八巻畳工業
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