やまきのタタミはイ草が太い! ※やまきのブログは文章が長い!
丈夫で良質なイ草を生産する熊本県八代の農家さんへイ草の刈取りのお邪魔をしてきました。
短期で体験しに行く畳屋さんも多い中、農家さんからは「4泊5日も来たのは初めてだ」と言われました。
なぜ5日間も熊本県に行ったのか?
それは農家さんが一年で一番大変な「イ草を刈り取る作業」のお手伝いをしたかったから。
実際に行って分かりましたが、これは本当に大変な作業なんです・・・。
「ほほう・・、今年のイ草はなかなか良い!」とか知ったかぶってる
なんとここまでが朝食前の仕事!
冗談抜きで「あ~・・、やっと昼飯かぁ・・・・」と、思ったくらいここまでが長い!!
朝食後、今度は{窯出し作業}という労働が待っている。
前日に乾燥させたイ草を窯から出し、梱包し、袋に詰め二階に上げる。
この作業は乾燥したイ土(いつち)と言ってイ草をコーティングする泥がとにかく舞う。
マスクをして蒸し風呂のような場所での作業で、汗が全身からとにかく吹き出す。。
と、見せかけ1軒に3人で押しかけたので、お客様扱いの初日は楽してました☆
ここまでやってようやくオヤツ休憩。。
初日はとにかく何やって良いんだか分からず、、言われた事しかやってないのに変に疲れました。。。
しかし本当の地獄はこの後だったのだ!
お世話になった農家さんの配慮か、この作業は最初の3日間他の雑用などでやっていなかったんですが、、実はこれが腰に相当負担が掛かる上に暑いっ!!
雑用こなしながら用水路でメダカ眺めてたりしてすいませんでしたっ!!!
なんとなんと、ここまでこなしてようやく昼食。
お風呂も先に入らせてもらい、昼食を御馳走になり昼寝をして英気を養う。
話しは変わりますが、東京からは随分前に卒業した畳訓練校の先輩と私の計4人で八代へ。
2軒の農家さんに2人ずつ分かれ、私がお邪魔した吉田さんには三重県から同じ歳の伊藤君(その時初対面)の3人で合宿。
訓練校の先輩だけど歳が1つ下の小川君と3人、一部屋用意していただき食事から洗濯まで完全にお世話になりっぱなしでした。。
なので最初は農家さんに負担をかけに来ただけなのでは?と、自問自答の日々・・・。
昼食後は暑い時間帯を避け午後2時から刈取りと泥染め作業。
私達が行った時期は丁度梅雨時で小雨や曇りの日が多く、実は炎天下で作業するより全然楽な天候だったんです。
雨の中、雨合羽を着ての作業は蒸れるし動き辛いので大変は大変です。
しかし炎天下となると食事も喉を通らないほど過酷と言うので、ある意味降られても天候には恵まれていました。
吉田さんのイ草は太くて丈夫なのにしなやか!
これ以上曲げても折れなかったのには驚きました。
私が愛する太いイ草を生産してくださる吉田さん一家。
毎日3食・オヤツ・洗濯・日に2回のお風呂・部屋まで提供して下さりありがとうございました。
家族の方から「助かったよ」とか「来てくれてありがとうね」とか「もうちょっと居れば良いのに」と言われた時は、お世辞かもしれませんが涙が出そうになるほど嬉しかったです。
毎朝3時半くらいには起きていたのですが、これが不思議と全然辛くないんです。
昔の自分なら「早く帰りたい」とか「体がキツイ」とか思ってたに違いありませんが、行った時は農作業が楽しい!と心から思いました。
なぜか?ずっと考えていました。
出た答えは{吉田さんのご家族が良くしてくれたから}です。
せっかちだけど実は優しいお爺さん。
食事や洗濯を世話してくれたお婆さん。
いつでもニコニコしてるけど、イ草に対するこだわりは誰にも負けない吉田さん。
なぜか一緒に話すとお互い大笑いになっちゃうお母さん。
若いのになぜか「見て覚えろ!」的な息子の貴ちゃん。
雷の時だけ側に寄ってくる愛犬クーちゃん。
吉田家の皆様、お世話になりました。
この熊本で大変な思いをして作られたイ草からできた畳表。
私は東京で自信を持ってお客様にお勧めします。
本当に5日間、ありがとうございました。
東京北区で四代100余年 (有)八巻畳工業
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