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弓道場では『安土(あづち)』と呼ばれる土を盛って壁面とし、的を置いて矢を放つそうですが、今回の弓道場では畳が安土の代わりに使用されており、数年前より古い畳を提供しております。
今回は当店における古い畳の提供方法と、さらに矢傷によって使い古した畳の処分について解説いたします。
どうせ矢で射るのならどんな畳でも弓矢の的になる?
昔から畳床(たたみどこ)と呼ばれる畳の芯材部分は藁(わら)製がほとんどででしたが、近年では新調の畳は9割以上がダイケンボードと発泡スチロールを組み合わせた主に『ボード』と呼ばれる新建材になりました。
全てが藁製の畳床を『藁床(わらどこ)』と言うのに対し『藁サンド』『スタイロ』と呼ばれる畳床は、上下が藁で真ん中に発泡スチロールを挟んだものを言います。
また『オールボード』と呼ばれる畳床は薄いダイケンボードを何層にも積み重ねたもので、こちらは藁床に近い重量感があります。
ダイケンボードを上下に真ん中に発泡スチロールをサンドイッチしたものは『Ⅲ型』で、上の部分にダイケンボードを配して下側に発泡スチロールのものを『Ⅱ型』と呼んだりします。
畳床にこれだけ種類があるのは藁床の重量や、害虫の問題などでダイケンボードが飛躍的に採用されてきた経緯があります。
しかし弓道やアーチェリーの的としての畳という分野では耐久性などの観点から藁床一択で、上記の藁サンドやダイケンボードを使用した畳は不向きで利用されません。
当店では畳の新調時に廃棄する予定の古い藁製畳を提供させていただいております。
※弓道の的用に新品の藁床を売っているお店もあります
畳に的
弓道の矢傷によってボロボロになった畳の最終処分はどうしているのか?
当店が提供している古い畳は古いといってもまだこしがあり、水濡れやシロアリ被害にあった畳は提供していません。
それでも何百と矢によって射られた畳はボロボロになり、最悪矢が貫通したり刺さった後に矢が垂れ下がってしまうと思います。
そのような古畳は当店で引き取った後、専門業者に渡して最終処分をしてもらいます。
処分の方法にはいくつかありますが、焼く・燃料にする・肥料にする・牛の餌にする・新しい藁床に混ぜて再利用するなど、業者によって色々あります。
個人的には重くて大変ですが、稲から始まり再利用される藁床と言うのは究極のSDZsなのではないかと思います。
提供前の古畳
弓道で使用後の古畳
矢傷でボロボロの畳
弓道場における当店での古畳の提供と撤去方法
古い畳を新調する際に引き取る古床(ふるどこ)と呼ばれる古畳ですが、安定して定期的に依頼を請けるというものではありません。
そのためタイミングにもよりますが、古い畳を業者さんに引き渡す前に声を掛けてもらった時に、必ず引き取りに来てもらう事を条件に提供させていただいております。
また、矢傷でボロボロになった畳も、一度当店に運搬してもらうことを条件としております。
理由は当店で移送運搬をするとコスト的に大幅な費用が発生するためです。
自力で運んでもらう事により安い経費でお取引できています。
藁製の畳は約30キロ程度ありますので慣れていないと腰を痛めやすいので、十分に気を付けて運搬することをお勧めします。
※都内の畳店では古い畳をストックするほどのスペースを確保している店舗が少ないため、当店を含めタイミングと輸送手段を考慮してのご依頼が必要です。