20年前に自室の畳をゴザの『素材』や縁の『柄』を全て変えて張り替えました。
焼け具合や耐久性を調べるためにやったこの実験は、今日ようやく報われることに。
20年をかけた壮大な検証結果でございます。
・畳表素材の説明
6畳間(オーブ写り込んでますが・・・)
手前側縦に敷いてある畳と中央の畳は『中国産琉球表』です。
入口と真ん中は良く通る所なので丈夫な琉球畳にしました。
手前側横に敷いてある畳と左側縦の畳は中国産の安物を裏返しして使用。
縦の方はまだ新しいゴザで手前は古いゴザです。
右奥の縦に敷いてある畳はその昔「セーフガード」という、国産品を輸入品から守る制度があった頃、中国産のゴザは縁を縫い付けて加工品(上敷きゴザ)として規制をすり抜けたゴザになります。
当時は上敷きの縁を一旦外して表を畳に張り、畳のサイズに裁断した後新たに縁を縫い付けていました。
しかし自宅だし面倒だったので片側の縁を残したまま畳に平刺しだけして仕上げてしまいました。
究極の手抜きですね。
奥の横に敷いてある畳は熊本県産で半端に売れ残ってしまったゴザです。
・畳縁素材の説明
真ん中の畳のみ縁無し畳に仕上げてあるので、この部屋の仕様を『一本縁』と呼びます。
全ての畳が縁と縁が並ばず一本だけで通っているため、このような呼び名になりました。
手前側縦に敷いてある畳の左側のみ『高麗紋縁』という{お寺}や{床の間}に付ける位の高い縁になります。
素材は純綿で耐久性はあまりありませんが肌触りはとても良いです。
この他の畳は全て化繊(ポリプロピレンなど)の縁です。
耐久性は高いですが熱に弱く、アイロンなどで簡単に溶けます。
・20年後の畳
20年経つとこれだけ変わります
もう一度20年前
まず気になるのは中央の畳の裂け目でしょう。
これは琉球畳の特性で藺草ではなく『七島藺草』という均一ではなく硬い草を使用しているため、藺草のように本数が詰まっていません。
そのため乾燥すると草が密でない分口が開いてしまうことがあります。
強度はかなり強いので20年経過しても『ささくれ』が立たず皮剥けもしていません。
化繊の縁は無傷でした。
日当たりが悪い部屋だったので色も褪せていません。
破れた高麗紋縁
よく歩く入口側に高麗紋縁を使用したため、純綿素材という事もあり千切れています。
20年後の畳はいかがだったでしょうか?
日の当たらない納戸のような部屋でしたので長持ちしましたが、普通は20年使用したら畳表に穴が開きます。
個人的に驚いたのは琉球畳の耐久性。
写真手前の右が琉球で左が中国産畳表です。
右の琉球表は全然傷んでいませんね。
現在では高価な物となりましたが、使うほどに味が出る素晴らしい素材と言えます。
日割り計算すればとんでもなく安い買い物ですね。
日当たりの悪い部屋なので焼け方はあまり参考になりません。
しかし艶もあり、まだまだ使用できるといった感じでした。
縁無し畳は裏返しが出来ませんので、琉球畳の縁無しなら頻繁に使用する部屋でも10年は耐えてくれることでしょう。
乾燥で口が開いてしまうなどありますが、琉球畳は長い目で見ればとってもリーズナブルですよ。(開いても平均に慣らして元に戻ります)
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東京都北区で四代110余年
有限会社 八巻畳工業
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