畳のゴザは{イ草}を編み込んでできている。
このイ草、お客様の手元に届くまでに農家さんによって2年の歳月を経て成長する。
そして育ち切った絶妙のタイミング、6月の終わりから7月の半ばの短い期間で一気に刈り取る。
バチコーーーーン!!!
という訳でやって来ました日本一のイ草産地、熊本県八代市へ。
私が個人的に日本一のイ草農家さんと崇める吉田昭則さん。
昨年の4泊5日に続き、今年は5泊6日のイ草刈り!
実は前日から熊本入りして関係各所へのご挨拶など入れると1週間の熊本滞在記。
イ草、打ち取ったりーーーーー!!!
という訳で吉田さんの奥様を始め、家族の方々の暖かい気持ちが無いと絶対に叶わない{農家さん宿泊記}なのであります。
私なら初日に冷蔵庫一杯にビールを買い込むような助っ人なら帰っていただきます☆
連射してるのにいちいちポーズ取るから同じ写真ばっかり・・・
更に驚くべきは一緒に行った東和小川畳店の店主、小川君である。
東京都足立区の東和小川畳店→http://ogawatatami.com/
昨年も一緒に刈取りに行き、私が「今年は1週間行こうと思うけど、どうする?」って聞いたら「行きましょう!!」って力強く応えてくれました。
まあ、二人とも出発前日まで残業して仕事をやっつけた訳ですけどもね・・・。
そうまでしてなぜ熊本に行くのか!?
明け方4時起きで夕方まで作業は続きます。
気温が30度以上の炎天下であろうと、河が氾濫手前まで大雨降ろうと。
持病の逆流性食道炎が悪化して胃カメラ飲む事になっても行く理由は??
ボロボロになってもこの表情☆
単純に楽しいんです!
それ以上の説明も解説もありません。
楽しくて楽しくて。
辛さなんか慣れていないって理由だけじゃないですか?
なのでストレスという物が一切無い世界なのです。
強いて例えるとするならば・・・。
必要とされている実感でしょうか。
亀捕まえたどーーーー!!
現役の畳屋で1週間お店を留守にしてイ草産地に来る。
自慢でも何でもなく、現時点で小川君と私意外にそんな畳屋さんいないでしょうね。
多くのやる気のある畳屋さんがイ草産地、熊本に集結しています。
私も含め皆さん刈取りを体験する事により、畳に関する認識を改めて学んで帰ります。
そろそろどうでしょうか?同業者の皆さん??
出来ないとか行けない言い訳は止めにしませんか???
一週間お店を空けて暇なの?と思われる方もいるでしょう。
それはお前だからできるんだよ!って言う方もおられるでしょう。
別に行かなくても畳屋は続けられるし・・・って方もいるでしょう。
イ草農家の朝は早い
仕事は待ってくれますが、イ草農家さんの減少は待ってくれません。
イ草無くして畳は、畳屋は生き残れません。
今年も様々な理由でイ草農家さんが廃業するでしょう。
助けるために産地へ行くのではありません。
畳の、国産天然イ草の本当の良さを、正しくお客様に伝えられるように行くのだと思います。
1年間に5回も吉田さんを訪ねて分かった事。
良い物は自信を持ってお客様に説明できるという事実です。
同業者の皆さん、熊本に行きましょう。
そこで得られる感動や情報や人間関係はお金には替えられない、一生の宝物になると思います。
熊本で待ってるどーーーー!
だいぶ畳業界の暗黒部分をさらけ出してしまいました、、すいません。。。
お客様の中には「畳は無くならないから大丈夫だよ!」とか「畳屋さんも減ってるから若いし良かったね!」と言って下さる方がいます。
ところがとんでもないスピードで「イ草」も「刈取りの機械」も「藁床(稲わら製の畳芯)」も「畳資材の問屋」も「畳の道具」も「後継者」も絶滅寸前の厳しい業界なのです。
みどりのダイヤモンドである
私は一生畳屋で食べて行くつもりだ。
6歳になる息子が継いでくれれば尚良いと思っている素晴らしい職業だ。
友達であろうが他人であろうが、知り合った人には必ず畳の素晴らしさを熱く語る。
こんなに優れた床材は無いと思うし、何より日本の気候や暮らしに合っている。
なのに減少しているのは畳屋が一般の方にきちんと説明して来なかったせいだと思う。
一般の方が畳を知らなくなったのは、決して時代の流れなんかではなくプロである畳屋が畳を語らずに集金だけをしてきた負の遺産だと思う。
畳の事は俺に任せろ!って言ったとか言わないとか・・・
多くの畳屋が産地に訪れ、畳を語れるようになれば少しは畳が見直されると思う。
なので畳屋さん。
一緒にイ草の産地で畳の勉強しませんか?
じっちゃんと孫の貴ちゃん
機械の入らない箇所は吉田さんが手刈りする
激動の一週間はあっという間に過ぎ去る
今年は吉田さんから
「八巻君と小川君のは刈取り体験じゃないね、仕事だね、家族だね」
と言っていただけました。
涙が出そうなほど嬉しい一言でした。
ありがとうございました。
東京北区で四代100余年 (有)八巻畳工業
トップページ https://yamaki-tatami.com/